運命みたいな恋は、ほら!すぐそこに転がっている

今日は、珍しく仕事が早く終わる予定だった。
せっかくなら梨々香を迎えに行って、その後食事でもして帰ろうかと考えていた。
毎日食事を用意してくれる梨々香に一日くらい休みがあってもいいだろうと、俺の勝手な計画だった。
今までにも何度か帰りの遅くなった梨々香を迎えに行った事はあったから、保育園の場所はわかっている。
午後七時に迎えに行く約束をし、時間に合わせて園の隣にある駐車場の前に車を止めた。
すると、見知らぬ男性と話し込んでいる梨々香の姿が目に入った。
二人の横に停まった車の助手席には以前病院に連れてきていた男の子の姿が見えたため、男性はあの子の父親なのだろうとすぐに気づいた。
きっと何か話しでもあるのだろうと俺はその場で待つことにしたのだが、梨々香と男性との雰囲気がどこかおかしい。
怒ったように強い口調で梨々香に詰め寄る男性と、怯えた様子の梨々香。
俺はたただ事ではない雰囲気を感じ取り、車から降りた。