運命みたいな恋は、ほら！すぐそこに転がっている

「梨々香先生きれいだし、素敵だなと思っていたんです。一度お食事でもいかがですか？きっと晴斗も喜ぶはずです」

この晴斗くんのお父さんの行動は非常識だと思う。
保育士と園児の保護者という一線を完全に超えている。
しかし、そういう行動に出させた原因の1部は私にもある。
そう思ったら何も言えず、その場で固まっていることしかできなかった。

「黙っているって事は、承知してくれたってことでいいんですか？」

からかうように、晴斗くんのお父さんはさらに距離を詰めようとする。

「だめ…です」

私はやっとのことで拒絶の言葉を口にした。

その時、
「梨々香」

駐車場の入り口あたりから声が聞こえた。