運命みたいな恋は、ほら！すぐそこに転がっている

「もうすぐハロウィンなので、その準備も色々と進んでいまして…」
「ええ、晴斗から聞いています。みんなが仮装するんですよね」
「そうなんです。それで」
「わかっています。晴斗にも何か用意します」

おそらくお父さんは、私がハロウィンの準備をするように催促すると思ったようだ。

「それについてなんですが、もしご迷惑でなければ私の方で用意させてもらってもいいですか？」

子供の頃から裁縫は得意だったし、保育士という仕事に就くにあたって多少の勉強もした。子供たちと一緒にいる時間が長い分、どんなものを喜んでくれるかもそれなりに理解している。
そんなに難しいものを作ろうと思わないけれど、何かひとつでも手作りのものを用意してあげたい。純粋にそんな思いだった。
しかし、晴斗くんのお父さんの反応は予想外なものだった。