運命みたいな恋は、ほら!すぐそこに転がっている

急に決まった同居のため、私は今来客用の食器を使わせてもらっている。
だからお茶碗や箸が欲しいと思っていた。
そして、朝や夕の時間のある時に一緒にコーヒーを飲むためのマグカップも欲しいなと思っていた。

「せっかくなら俺も新しくするかな」

そう言ってくれた徹さんと2人で店内歩き、お気に入りのサイズとデザインのカップが見つかった。
決して高級食器ではないけれど、柔らかな曲線と手のひらにちょうど包み込むほどのサイズ感で、私はオレンジを徹さんはモスグリーンの色をチョイスした。

「これがよさそうだな」
「ええ、そうですね。それはぜひ私に買わせてください」
「いや、それは・・・」

徹さんのことだから、渋い顔されるのは想像できたけれど、せめて何か1つだけでも私が買って帰りたかった。
結局、徹さんが止めるよりも早く私はカップを持ってレジに向かった。