運命みたいな恋は、ほら!すぐそこに転がっている

それにしても不器用な性格だと自分でも思う。
もう少し上手に嘘を付ければ、ネットカフェに泊まるつもりだなんて話す必要はなかったのに。
でも仕方ない、亡くなった父から絶対に嘘だけはつくなと教えられて私は育ったから、どんな小さな嘘もつかないと心に決めている。
だからこそ、佐山先生にだって包み隠さず打ち明けるしかなかった。

ネットカフェに泊まるつもりなんて軽蔑されたかな?
そんなことを考えて、うつむいてしまった。
私とすれば、今すぐにここから消えてなくなりたい気分だった。
しかしその時、佐山先生はとんでもないことを言ってきた。

「よかったらうちにくる?」
「は?」

佐山先生の言葉の意味が咄嗟には理解できなくて、私は口を開けたまま見つめ返した。