運命みたいな恋は、ほら!すぐそこに転がっている

「ここでよかった?」
「ええ」

何かご馳走するよと言われ入ったのは深夜のファミレス。
正直、どんな高級店に連れて行かれるのだろうと思っていた私は、少しだけホッとした。

「ところで、アパートは全焼で何も残っていなかったんだろ?」
「ええ」

何もかもが黒焦げになってしまった。

「今夜帰るあてはあるの?」
「うーん」

私は唸ったまま下を向いた。

「ホテルに泊まるつもり?」
「いや・・・」

この時間からとれるところはなさそうだし、この先どうなるかもわからない状況ではホテルに泊まる余裕はない。

「ネットカフェ?」
「そうですね」

現実的に考えて、今夜はひとまずネットカフェに泊まるしかなさそうだ。
自分でもあまり褒められた選択だとは思わないが、他に方法がない。