運命みたいな恋は、ほら!すぐそこに転がっている

本当に心温まる空間で、穏やかに時間が流れていった。

ちょうど一年前の私は、今の自分を想像もしていなかった。
そもそも徹の第一印象もいいものではなかったし、徹のことを知れば知るほど住む世界の違いを感じていた。
10代の頃のトラウマを持つ私は男性との距離のとり方がわからず、恋愛からも逃げてもいた。
その私が結婚するなんて・・・
一方徹も、医者でありながらお母様の実家の相続に関するしがらみがあり、一時は社長令嬢と婚約ってところまで来ていたのに、それを断って私を選んでくれた。
もちろんこれで相続に関する雑事から解放されたわけではないが、どんな事にも真摯に誠実に向き合おうとする徹のことを私は信じていこうと決めた。
やはり、私たちにとって今日この日は運命でしかない。