結構長い時間、私たちはラウンジにいた。
私はほぼ聞き役で、彼女が一人で文句を言い続けた。
当然会話が弾むこともなかったけれど、思ったよりも苦痛ではなかった。
思いの違いはあるにしても、彼女が徹との未来を真剣に思い描いていたのは間違いない。彼女は彼女のやり方で徹に恋をしていたのだ。
そう思ったら、憎しみは感じなかった。
そして、時間が経つごとに彼女の言葉も少しずつ柔らかくなっていた。
「もういいわ」
彼女の口から吐き捨てるように出た言葉。
それに対して私は、ただ頭を下げた。
これで解決とはいかないかもしれないけれど、少なくとも彼女は納得してくれたようだった。
話が済めばもうここに用はないとばかり、彼女が立ちあがる。
ちょうどその時扉をノックする音がして、私がドアを開けると徹のお姉さんである沙月さんが立っていた。
「どうしてここに?」
突然の登場に、まず驚いた。
以前に一度会ったことはあったが、それきり会う機会もないままだった。
「徹から様子を見に行ってほしいって頼まれてね」
「そうでしたか」
「じゃあ、私はこれで失礼するわ」
沙月さんと話しをしているうちに、椿さんはラウンジを出て行った。
私はほぼ聞き役で、彼女が一人で文句を言い続けた。
当然会話が弾むこともなかったけれど、思ったよりも苦痛ではなかった。
思いの違いはあるにしても、彼女が徹との未来を真剣に思い描いていたのは間違いない。彼女は彼女のやり方で徹に恋をしていたのだ。
そう思ったら、憎しみは感じなかった。
そして、時間が経つごとに彼女の言葉も少しずつ柔らかくなっていた。
「もういいわ」
彼女の口から吐き捨てるように出た言葉。
それに対して私は、ただ頭を下げた。
これで解決とはいかないかもしれないけれど、少なくとも彼女は納得してくれたようだった。
話が済めばもうここに用はないとばかり、彼女が立ちあがる。
ちょうどその時扉をノックする音がして、私がドアを開けると徹のお姉さんである沙月さんが立っていた。
「どうしてここに?」
突然の登場に、まず驚いた。
以前に一度会ったことはあったが、それきり会う機会もないままだった。
「徹から様子を見に行ってほしいって頼まれてね」
「そうでしたか」
「じゃあ、私はこれで失礼するわ」
沙月さんと話しをしているうちに、椿さんはラウンジを出て行った。



