運命みたいな恋は、ほら!すぐそこに転がっている

お昼前までベッドで過ごしてから、私は近くのクリニックへ行った。
そこは以前にも来たことのあるクリニックで、年配の院長先生も話しやすく、気兼ねなく受診できた。

「何か大きな病気があるようではないが、疲れが溜まって熱が出たんだろう。お薬を処方するからゆっくり休みなさい」
「ありがとうございます」

診断は私の予想通り。
それでもどこも悪くないと言ってもらったことに安心したのか、少しだけ気持ちが軽くなった。
暖冬とはいえ、1月は真冬。
寒いのが苦手な私にとっては大嫌いな季節なのに、ついウキウキしてしまうのは恋をしているせいだろうか。
私は一人口元を緩ませながら、病院からマンションへと向かった。