「徹」
私はポカンと口を開けたまま、窓の外を凝視した。
私たちがいるのは丸の内のビジネス街にある大通りに面したカフェ。
周りは高層ビルが立ち並び、通りには多くの人は行き来している。
その中に、私は徹の姿を見つけてしまった。
向かいのビルから出てきた徹と先日のフィアンセを名乗る女性が、一緒に出てきたスーツを着た数人の男性に見送られ車に乗り込んだ。
「梨々香、どうしたの?」
私の様子がおかしいことに気が付いたのか、容子も窓の外に目をやる。
あれは間違いなく徹だった。
そして一緒にいた女性もマンションのエントランスで出会った人に間違いない。
「徹がいたの」
「え、本当?」
容子はキョロキョロと窓の外を見回すけれど、すでに徹の姿はない。
「大丈夫?梨々香顔が真っ青よ」
「うん、平気」
容子を心配させてはいけないと必死で平常を装いながらも、頭の中ではずっと徹のことを考えていた。
私はポカンと口を開けたまま、窓の外を凝視した。
私たちがいるのは丸の内のビジネス街にある大通りに面したカフェ。
周りは高層ビルが立ち並び、通りには多くの人は行き来している。
その中に、私は徹の姿を見つけてしまった。
向かいのビルから出てきた徹と先日のフィアンセを名乗る女性が、一緒に出てきたスーツを着た数人の男性に見送られ車に乗り込んだ。
「梨々香、どうしたの?」
私の様子がおかしいことに気が付いたのか、容子も窓の外に目をやる。
あれは間違いなく徹だった。
そして一緒にいた女性もマンションのエントランスで出会った人に間違いない。
「徹がいたの」
「え、本当?」
容子はキョロキョロと窓の外を見回すけれど、すでに徹の姿はない。
「大丈夫?梨々香顔が真っ青よ」
「うん、平気」
容子を心配させてはいけないと必死で平常を装いながらも、頭の中ではずっと徹のことを考えていた。



