「梨々香先生、大丈夫ですか?」
園での年内最終勤務だというのに、職員室のデスクでボーっとしてしまった私に園長先生が声を掛けた。
「ええ、大丈夫です。ご心配かけてすみません」
園長先生がわざわざ私のところまで来て声を掛けるのには理由がある。
実は数日前から私のことを中傷するようなメールが園長先生の元に届くようになったのだ。
「何かあればすぐに相談してくださいね」
「はい、ありがとうございます」
メールは、私が男性と同棲していて素行が悪いだの、園児に乱暴な態度をとるだのと並べたてて解雇を迫る内容だった。
園長から直接見せられた時には驚いたが、すぐにフィアンセを名乗る女性からのものだと気が付いた。
実は同じタイミングで、私の元にも彼女から電話がかかってきていたのだ。
内容は、徹のためを思うならすぐにマンションを出て行くべきで、これ以上居座れば勤め先である保育園や弟の竜星にまで被害が及ぶと脅迫めいたものだった。
徹には余計な心配をかけるようで言い出せずひとりで随分と悩んだが、やはり私がマンションを出て行くしかないのだと痛感もした。
園での年内最終勤務だというのに、職員室のデスクでボーっとしてしまった私に園長先生が声を掛けた。
「ええ、大丈夫です。ご心配かけてすみません」
園長先生がわざわざ私のところまで来て声を掛けるのには理由がある。
実は数日前から私のことを中傷するようなメールが園長先生の元に届くようになったのだ。
「何かあればすぐに相談してくださいね」
「はい、ありがとうございます」
メールは、私が男性と同棲していて素行が悪いだの、園児に乱暴な態度をとるだのと並べたてて解雇を迫る内容だった。
園長から直接見せられた時には驚いたが、すぐにフィアンセを名乗る女性からのものだと気が付いた。
実は同じタイミングで、私の元にも彼女から電話がかかってきていたのだ。
内容は、徹のためを思うならすぐにマンションを出て行くべきで、これ以上居座れば勤め先である保育園や弟の竜星にまで被害が及ぶと脅迫めいたものだった。
徹には余計な心配をかけるようで言い出せずひとりで随分と悩んだが、やはり私がマンションを出て行くしかないのだと痛感もした。



