運命みたいな恋は、ほら!すぐそこに転がっている

気が付けば時刻は6時を回り、外も明るくなってきた。
先程まで愛し合っていた梨々香は、俺の腕の中で眠っている。
目が覚めて息がかかりそうな距離にいる俺を見た梨々香はどんな反応をするのだろうかと、想像するだけでにやけてしまった。

ちょうどその時、メッセージの受信。
こんな早い時間に誰だよと思ってスマホを見ると、送り主は母の実家である高塚家の執事からだった。
執事とは言っても祖父の側近を長い間務める人物で、祖父との連絡係として月に何度も連絡をしてくる人だ。

「え?」

メッセージを読みながら思わず声が出た。

「徹さん、どうかしたの?」

俺の声を聞いたからだろうか、目を覚ました梨々香が瞬きをしながら俺を見ている。

「いや、何でもない」
「そう」

俺は梨々香にもう少し眠っていたらいいよ伝えてからベットを出た。
初めての経験をした梨々香はまだ体だって回復していないだろうと、俺なりに気を使ったつもりだった。