運命みたいな恋は、ほら!すぐそこに転がっている

梨々香が今傷つき弱っていることも、だからこそ俺に救いを求めているのも理解している。
こんな時に手を出すのは男として卑怯だとも思う。
それでも、肩を震わせ涙を流す梨々香を放っておくことができなかった。

「本当にいいんだな?」
「ええ」

それからしばらくして、ベッドの上に組み敷いた梨々香に俺は尋ねた。
少し照れ臭そうに、梨々香が真っすぐに俺を見上げる。
その表情から、迷いや戸惑いは感じられない。

「わかった」

俺は小さくうなずくと、首元にキスを落とした。
鎖骨から肩口そして胸元へと唇を這わせ、その頂を口にすると梨々香の体が小さくはねた。
その間も俺の手が梨々香の体を刺激し続け、いつしか梨々香の口から甘い声が漏れる。

「梨々香、愛している」

初めての行為に必死の梨々香に聞こえているのかはわからないが、俺は生まれて初めて自分から告白をした。
そして、本能と快楽のはざまで俺たちは一つになった。