運命みたいな恋は、ほら!すぐそこに転がっている

今日は梨々香の勤める保育園の忘年会だった。
親睦会を兼ねたものだったらしく、園のスタッフの他に園児の保護者も参加するのだと聞いていた。
だからこそ、俺は心配で仕方なかった。

「あれだけ用心しろって言ったのにな」

おそらく誰よりも傷ついている梨々香に面と向かっては言えない言葉を、無防備な寝顔に投げかけた。
先日園の駐車場で詰め寄寄ってきた保護者が今日の忘年会にも参加すると聞いて、嫌な予感があった。
だからこそ、会場の近くまで迎えに行った。
おおよその予定時間は聞いていたから、そろそろだろうかと車を降りたところで抱きかかえられ引きずられるように歩く梨々香の姿が目に飛び込んできて、俺は反射的に男に飛び掛かり梨々香を奪い返した。