運命みたいな恋は、ほら!すぐそこに転がっている

「梨々香、今日は遅くなるんだろう?」

いつものように私の準備した朝食を食べながら、徹さんが聞いてきた。

「ええ。今日は保育園の忘年会だから」

実は今日、私が勤務するわかば保育園の保護者との親睦会を兼ねた忘年会が行われる。
勤務一年目の私には一体どんな会になるのか想像もつかないが、先輩たちの話では都合のつく保育士や保護者の有志も参加して和気藹々とした食事会らしい。

「大丈夫なのか?」
「え?」

何を大丈夫なのかと聞かれたのかがわからず、私は顔を上げた。

「ほら、例の保護者もくるんだろ?」

ああ、なるほどそういうことか。
1ヵ月ほど前に園児の1人である木下晴斗くんのお父さんに詰め寄られたことがあり、徹さんはそのことを心配しているようだ。

「大丈夫だと思うわ」

確かに今日は晴斗君のお父さんも参加と聞いているけれど、他にも保護者や園のスタッフも参加するから、私が晴斗くんのお父さんと二人きりになることはないはずだ。
それに、この先晴斗くんが小学校に上がるまでは保育士と保護者としての関係が続いて行くわけで、できれば今日の飲み会で先日のわだかまりを解消しておきたい。

「終わったら迎えに行くよ」
「一人で帰れるからいいわ。でも、遅くなりそうなら電話するわね」
「ああ、そうしてくれ」

今日は他の先生たちもいるから、晴斗君おお父さんが接近してくることはないだろうと私は思っていた。