運命みたいな恋は、ほら！すぐそこに転がっている

梨々香の危機

徹さんと竜星が病院で偶然出会ってから数週間が過ぎた。
その後2人は時々連絡を取り合うようになったようで、竜星の悩みを先輩である徹さんが聞いてくれているらしい。
私の知らないところで何を言っているのだろうと気にはなるものの、今まで私に心配をかけまいと一人で頑張ってきた竜星の変化がとてもうれしかった。
しかし、できることならこのままの徹さんとの関係を続けていたいと願いながらもそう簡単にはいかないのが現実で、私の引っ越し準備もゆっくりではあるが進行中。
休日や休みの時間にアパートを探しているが、なかなか思うようなものが見つからないのが悩みの種だ。
せめて年内にはマンションを出て新しいアパートに引っ越したいと考えているものの、あと1週間もすればクリスマスを迎えてしまう。
マンションのエントランスで出会った自称フィアンセの女性があの日以降現れないのをいいことに、なかなか動き出せないのが実情だった。