運命みたいな恋は、ほら!すぐそこに転がっている

「それじゃあ梨々香、ためしに徹さんがいない生活を想像してみなさいよ」

容子に言われ、自分の中で描いてみる。
しかし、何も思い浮かばない。
ここ最近、私が楽しくて笑った時にも口惜しくて泣いた時にも、日常のすべての場面に徹さんがいた。
徹さんのために食事を作りったし、部屋もきれいにしたし、一生懸命仕事をする彼を見て私も頑張ろうと思えた。

「想像できないでしょ?」
「うん」

容子は小さく息をつくと、少しだけ私のほうに顔を近づけた。

「梨々香がそんな風に誰かを好きになるなんて珍しいし、良いことだと思うわ。でも、相手がね・・・」
「わかっている」

私と徹さんでは釣り合わないし、幸せになれるとは思えない。
結局私はあのマンションを出て、徹さんの元を去るしかないのだ。
色々と考え込んで空気が重くなってしまったその時、カバンの中にしまっていたスマホが震えた。