運命みたいな恋は、ほら!すぐそこに転がっている

「梨々香らしくないわね」

不思議そうな顔で容子は私を見る。

「わかっているわ。でもほら、引っ越すにはお金だってかかるし、徹さんも1人になると食事や家事に手を抜くことがあるから、私がいなくなったらと思うと心配ではあるの」

実際私がマンションに行く前の徹さんは、朝ご飯を食べたり食べなかったりで夜も疲れて帰れば軽食で済ませることも度々。几帳面な人ではあるけれど、仕事をしながらリビングでうたた寝をしてそのまま朝を迎えたなんてことも多かったらしい。
そんな生活を続けていれば、いつか体を壊すだろう。

「結局、梨々香はこのままマンションにいたいんじゃないの?」
「そんなことないけど・・・」
「徹さんが好きなんでしょ?」

真正面からズバリと投げかけられた言葉に、ゴクリと息を飲み込んだ。
確かに、口ではマンションを出なくては、徹さんから離れなくてはと言っていながら、気持ちのどこかに今のままでいたい気持ちがあるのかもかもしれない。