運命みたいな恋は、ほら!すぐそこに転がっている

大人でエレガントでとっても奇麗なお姉さんに羨望の眼差しを向けると同時に、自分がとっても子供っぽい気がして私はまた落ち込んでしまった。
そんな思い抱きながら帰って来た高級マンション。
近くのスーパーで買い物をしたために大荷物を持ってエントランスへ入ろうとした時、

「すみません」
背中から声を掛けられた。

振り返ってみると、見るからに高そうに服を着た若い女性。
20代前半くらいだろうか、かわいいお人形さんみたいな人。
身長は160センチほどで丸顔の中肉中背。
さっきまで一緒にいた徹さんのお姉さんとは違った意味での美人さんだ。

「佐山徹さんの・・・」
「友人です」

黙っていたら恋人ですかと聞かれそうな気がして、先に答えた。
もしかして徹さんお知り合いだろうか?けれど、私には見覚えがない。

「失礼ですが?」

今度は私が聞いてみた。

「私は、徹さんのフィアンセです」
「え、フィアンセ?」

思いもよらぬ単語が出てきて、私はその場に立ち尽くした。