素直と天然と少しの頑固を加えて

「1,500円なんだけど…、」
みんなの手が止まった。
やっぱり高かった?
「安…。」
安いの?
カンペールのブランド力があれば3,000円位はいけそうだけど、何もないうちのチョコならこれぐらいが妥当だと思ってた。
『手作りなんでしょ!シェフはなんて言う人?』とか『どこ産のカカオ?』って、素人が考える?
「どうしたら売れるかなぁ」
おそるおそる聞いてみた。
鈴木さんを思い出すような女子が「私、SNSにあげてみようか?」
突然写真を撮りだした。
「たぶん5,000円くらいでも売れると思う」
そんなもんか?
信じられなかった。
「私、凄いんだから」

少しすると、増田さんから電話が鳴った。
『問い合わせがなんか凄い。直ぐに来てくれ』

何が何だか判らないけど、「明日、時間くれないか。話しを聞きたい」
「え~、バレンタインデーに私の時間を奪う気?まぁ6時に約束してるから、それまでなら付き合ってあげるけど」

何とか鈴木さんに似た、和田さんと約束をして、会社に向かった。