素直と天然と少しの頑固を加えて

「増田さん、ちょっと相談したいことが…」
想像していたような顔をして、「今日の帰り、時間ある?」って、聞いてきた。

仕事帰り、ビルの裏手の純喫茶。
こんなところにこんな店があるんだ。

「高木、おまえ知ってるか?
おまえの同期の鈴木さん、うちの部長の娘だって」
えっ知らなかったし、俺は臭いについて何も言ってなかったよな?
「あの人と清水部長、考え方が違うんだよ。
正式に入社してから、また詳しく話すけど、今からどちらかと仲良くしなくても良いと思うよ」

気になる。
でもまだ社員じゃないし、詳しく話せないのも判る気がする。
「ありがとうございます。判りました。また入社出来たらよろしくお願いします」

「辞退しない限り、再来年はうちの社員だよ」