エリート脳外科医の長い恋煩い〜クールなドクターは初恋の彼女を溺愛で救いたい〜

 「そういえば、優茉ちゃんはクリスマスプレゼントもう用意したの?」
 「え?...しばらくクリスマスとは無縁だったので忘れていました。プレゼント...何がいいんでしょう?」
 「選ぶのって難しいわよね。何か趣味とか好きな物とかないの?」
 「うーん...」
 「まぁ、無難なのは小物系ね。あとはお疲れだろうから癒しグッズとかかなぁ」
 「なるほど...。ありがとうございます、考えてみます!」

 そんな話をした次の週末、麻美とプレゼントを買いに行く約束をし、お昼に待ち合わせてランチをしてから百貨店を見て回っていた。
 「麻美は何を買うか決めてるの?」
 「うん、今年はベルトにしようと思っているの。ネクタイはもう何回もプレゼントしたし」と相変わらず麻美は決断が早くて迷いが無い様子。
 「優茉はまだ迷ってるんでしょ?」
 「うん...でも柊哉さん、意外と寒がりだから何か温まる様な物がいいかなって」
 「なるほどね。じゃあ無難にマフラーとか?それとも...こういうのはどう?」と麻美が手に取ったのは、充電式のカイロ。
 これなら仕事中でも寒い時に指先を温められるかな?
 「私のおすすめはこっちかなぁ。これなら二人でゆっくり温まれるし、今の時期はピッタリじゃない?」
 「これって...バスソルト?」
 「そう!私もプレゼントしたことあるけど、一緒に選んで入るのも楽しいよ?」
 「...そ、そうなんだ...」
 「もしかして...こんなに一緒に暮らしててまだえっちもしてないの⁈」
 「ちょっ、ちょっと!大きな声で言わないでよ」
 「嘘でしょ...?毎日同じベッドでただ眠るだけなの?」
 「う、うん。いつも抱きしめられて眠るけど、そういう事には一度も...」
 「信じられない...。きっと優茉が大事過ぎて手を出せないのよ」
 「ただ単に私に魅力がないだけだと...」
 「そんな訳ないでしょ!だったら尚更これにしなさい!それで一緒に入ろうって優茉から誘うのよ。じゃないと彼が大変よ?」
 「そ、そんな事出来ないよ!」
 「きっと彼は優しいから優茉の気持ちを優先してくれるでしょ?自分が我慢してでも、待っててくれるつもりだよ。だから優茉から言ってあげないと!」
 私から誘うなんて...。でも、もしも柊哉さんが我慢しているなら...それも申し訳ないけど...。
 「はい、迷ってるなら買うべきだよ!もうカイロとバスソルトとマフラーのセットにしたらいいじゃない」と言われ、もう麻美の言う通りにしてみようと思った。誘うかどうかは、別だけど...。
 久しぶりに来た街は、イルミネーションの光に彩られ浮き足だっていた。最近はマンションと病院の往復しかしていなかったから、クリスマスが近い事を初めて実感した。
 前に横浜に行って以来、柊哉さんとお出かけは出来ていない。もう二十七歳だし、クリスマスがどうのと言うつもりもないけれど、綺麗な景色を一緒に見て同じ気持ちになれるのってとても素敵なことだよね。