The previous night of the world revolution5~R.D.~

「アリューシャ大丈夫?どうしたの?」

「…ぽへー…」

シュノさんが声をかけても、この通り。

「こらアリューシャ!しっかりしろ!」

「…ぽへー…」

ルルシーが叱咤しても、この通り。

「アリューシャ先輩。フォンダンショコラ食べてしまうぞ。良いのか?」

「…ぽへー…」

ルリシヤがフォンダンショコラで釣っても、この通り。

俺は何をしよう?

多分何しても、意味を為さないと思われる。

「…ルレイア。どうする?このアリューシャ…。冷水でもぶっかけるか」

いやんルルシー。過激派。

「それで風邪でも引いたら、アイズに申し訳ないですよ」

「あぁ、確かに…。じゃあどうすりゃ良いんだ。放っといて良いのか?」

放っといたらそれはそれで、薄情な気が。

「このまま帰したら、間違いなく帰り道で電柱にぶつかるか、溝に片足突っ込むぞ」

どちらも大変間抜けな怪我である。

折角怪我が治ったばかりなのに、また怪我をして病院に返り咲きさせるのは、申し訳ない。

「今日は泊めてあげた方が良いんじゃないですか?ルルシー」

「仕方ないな…」

「ついでに俺も泊まってあげるので!アリューシャのお世話の為にも、必要でしょう?ほら、アリューシャのお世話の為にも」

「…」

あくまで、アリューシャのお世話を強調。

決して、ルルシーの家にお泊まりしたい訳じゃないよ?

そんなふしだらな下心はないよ?決して。

「確かにな。アリューシャ先輩のお世話の為にも、俺達がついてないと。な、シュノ先輩。『ルレイア先輩と』アリューシャ先輩の世話をしないとな」

「…!うんっ…。私、ルレイアと頑張ってアリューシャの世話をするわ」

敢えて俺の名前を強調することで、シュノさんをその気にさせるルリシヤ。

さすがである。

「お前らな…!」

こめかみに血管浮き立たせるルルシーだが。

「…ぽへー…」

「ほらアリューシャ。向こうで休みましょうか~。シュノさん、ルリシヤ。手伝ってください」

「任せて、ルレイア!」

「了解だ、ルレイア先輩」

そそくさと、お泊まりの準備を始める。

思い立ったがすぐ行動、ってね。

「…うふふ。ルルシー」

「…お前…」

「まぁまぁ、大丈夫ですよ。明日になれば、まるっと解決しますから」

「…?」

アリューシャの不調は、そんなに気にすることはない。

誰だって、「初めてのお泊まり」はホームシックにかかるもの。

そうだろう?