The previous night of the world revolution5~R.D.~

みんなが味方をしてくれるのは有り難いけども、今回ばかりは。

「やめてください。今回の作戦指揮官は俺ですから。アリューシャに指示したのも俺。俺に全責任がありますよ」

だから、アイズに責められても文句は言えないのだ。

アリューシャを酷使してまで助けられることを、アイズは望まないだろうと分かっていた。

それでも、俺はそれを強行した。

責められるべきは俺だけだ。

「ごめん、責めてる訳じゃないよ。過ぎたことはもう仕方ない。アリューシャもこうして無事だった訳だし…」

ちらり、とアリューシャを見るアイズ。

「もとはと言えば、私があっさり捕まったのが悪いんだからね。君達を責める権利はない。ありがとうね、助けてくれて」

「…当たり前じゃないですか」

俺達が、アイズを見捨てるはずがない。

分かりきってることだ。

「つーか、その、最初にけーやくこーしん?に行ったなんとか企業ってのは、どうなってんの?奴らもグルだったの?」

と、アリューシャ。

それは、俺の口から説明出来る。

「K企業のことですね?どうやらあの日、K企業の役員はアイズより先に来て待ってたらしくて、アイズが来る前に奴らに捕らえられて、別室で拘束されてたそうです」

清掃の為に部屋に入ったホテルマンが、ドアを開けてびっくり仰天したそうだ。

誰もいないはずの部屋に、全身縛られて半泣きで呻いているK企業の役員を見つけたのだから。

幸い、その役員に怪我はなかった。

あくまで、目的はアイズだけで、他は眼中になかったのだろう。

「…それで、アイズ」

まだ、そっとしておいてあげたい。

傷が癒えるまで、何も考えずにゆっくりしていて欲しい。

でも、そういう訳にはいかない。

「…あなたを拉致した連中は、何者です?」

『青薔薇連合会』に手を出した連中を、野放しにしておく訳にはいかないのだから。