The previous night of the world revolution5~R.D.~

「どうですか?アイズ。具合は」

花瓶に花を活けながら、俺はそう尋ねた。

「うん、だいぶ良くなってきたみたいだよ。昨日までは本当、腕動かすだけで奇声を発してたからね、アリューシャ」

いや、アリューシャじゃなくて。

そりゃアリューシャも心配だけれど。

「お前の容態だよ、馬鹿」

ルルシーが、呆れたように言った。

そうそう。アイズの容態を聞きたいんだ。

明らかにアイズの方が重症だから。

「え?あぁ私?私は大丈夫だよ…」

「何が大丈夫なんだよ…」

致命傷となる傷はなかったものの。

アイズの容態は、かなり酷いものだった。

後れ馳せながら連絡を聞いたアシュトーリアさんが、血相を変えて本部に戻ってくるくらいには。

順著に行けば、全治2ヶ月、ってところか。

全く、やってくれたものだ。

本当は、まだ痛みのあまり、話すことも辛いだろうに。

俺達やアリューシャに心配かけたくないばかりに、平気な振りをしているのだ。

それどころか、アリューシャの方を心配している始末。

ぶっちゃけアリューシャは、筋肉痛が治ればあとは肋骨だけなので、あまり心配は要らないのだが。

保護者アイズとしては、アリューシャの方が気にかかるらしく。

「そうだ、ルレイア」

「はい?」

「侵入する為に、アリューシャに無理させたそうじゃないか」

あっ。

それ、絶対怒られると思った。

「あんなものを四回も撃たせるなんて…。助けてもらっておいて文句は言いたくないけど、あんな無茶、もうさせないでよ」

「あぅ…。済みません…」

「別に平気だし!アリューシャ、あんなの10発でも撃てるし!アリューシャの超絶スナイパーぶりを舐めてもらっちゃ困るぜ」

と、強がるアリューシャ。

いや、さすがに10発は無理だろう。

アリューシャより、ライフルの方が先に死にそう。

「まぁ、そうルレイア先輩を責めないでくれ。あのときは、ああするのが最適解だったんだ」

「そうだな。もたもたしてる間に、アイズを地下から連れ出される可能性もあった訳だし。あのときは仕方なかった」

「そうよ、アイズ。アリューシャには無理をさせたけど、あなたを助ける為には仕方なかったの」

ルリシヤとルルシー、シュノさんが、俺の味方をしてくれた。