The previous night of the world revolution5~R.D.~

…結局のところ。

ルリシヤが俺達に隠して、内密に事を解決しようとしたのは、そのせいだ。

俺達を巻き込めば、貴族とマフィアの対立になる。

クレマティス家の当主一人を殺して、どうにかなる問題ではない。

「…こんな兄でも、貴族の当主なんだ。『青薔薇連合会』が兄を暗殺したことがバレたら、皆に迷惑をかける」

ルリシヤは、静かにそう言った。

だから、一人で抱え込んで、自分で何とかしようと…。

しかし。

「…それが何だって言うんだよ」

アリューシャが、ぽつりとそう言った。

「お前ら見損なったぜ!警察?帝国騎士団?そんなもんが怖くて、マフィアなんかやってられるか!」

「アリューシャ先輩…」

「ルリ公が実家に帰りたいなら、仕方ねぇよ。めちゃくちゃ嫌だけど!めちゃくちゃ嫌だけど、送り出そうと思ってたよ!でも違うじゃん!全然帰りたそうになんかしてねぇじゃん!帰りたくないんだろ!?」

「…それは」

ルリシヤの顔色を見れば分かる。

帰りたいはずがない。こんな兄貴がいる家になんて。

「アリューシャ達は家族だろ!何で家族を見捨てるんだよ!ふざけんな!『青薔薇連合会』の安泰の為に、ルリ公を犠牲にするって言うのかよ!帰りたくねぇって泣いてんのに、無視するのかよ!それでも家族か!」

「アリューシャ、ちょっと落ち着いて」

「落ち着けるかぁ!いくらアイ公でも!今のアリューシャは止められねぇぞ!」

本当に。

羽交い締めにしても、ライフル片手にクレマティス家に攻め入りそうな勢いだ。

だが、アリューシャの言っていることは間違ってない。

「アリューシャ。何も俺達は、警察や帝国騎士団と揉めたくないから、ルリシヤを人身御供にして実家に帰そうなんて思ってませんよ」

「…?じゃあどうするんだよ!」

「ルリシヤの兄を殺す必要はありません。要するに、ルリシヤがクレマティス家に帰る『口実』をなくしてやれば良いんです」

「…??」

アリューシャの言う通りだ。

警察も、帝国騎士団も怖くはない。

家族を失うことの方が、余程怖い。

ならば、出来ないことなど何もない。

うちの家族を苦しめてくれたこと、たっぷりと後悔させてやる。