「まず、ルルシーさん。くれぐれも、この話は内密に。準幹部にも話していないことなので」
「分かった」
「それと、ルリシヤさんに見つかったら困るので、紙に書き残したりはしないでください。あくまで、ルルシーさんの頭の中にだけ記憶しておくようにお願いします」
俺は、一も二もなく頷いた。
それがルリシヤを守ることに繋がるのなら。
「それから…これから僕が話すのは、あくまで推論です。ルリシヤさんに確認を取った訳ではありませんし、100%確実な証拠がある訳でもありません」
それは仕方ないだろう。
ルリシヤが隠しているのだから、こちらはあくまで推測するしかない。
「その上で、まず、結論から言うと…ルリシヤさんは、ご実家から接触されている可能性があります」
「…!?」
ルリシヤがわざと隠そうとしているのだから、それなりのことなのだろうとは思っていたが。
…実家、だと?
「ルリシヤさんの実家、ご存知ですか?」
「確か…クレマティス家、だったよな」
「正解です。ルリシヤさんは中流貴族の一つ、クレマティス家の次男です」
「…」
嫌な流れになってきた。
俺にとってではない。
ルレイアにとって。
だって貴族の話なんて、ルレイアにとっては…。
「…ルレイア、無理に聞かなくても…」
俺とルーチェスの二人きりにしてくれて良い。
ルレイアにとっては、何度も聞きたくない話だろうから。
しかし。
「大丈夫です。別段、俺に関係のある話でもありませんし」
…それなら、良いけど。
「…無理はするなよ」
「分かってますって。本当心配性なんですから」
心配にもなるよ。
それだけのことがあったんだから。
「…続けても大丈夫ですか?」
「あぁ、済まん…」
ルリシヤが、実家のクレマティス家に接触を図られてる…だったな。
「何でそんなことになる?ルリシヤは、もうとっくに実家との縁は切れてるんだろ」
「はい。僕も『青薔薇連合会』に入る前に、ルリシヤさんのことは色々調べさせてもらいました。…彼が実の兄に疎まれ、帝国騎士官学校入学寸前に、実家から追放されたことも」
「…」
…何回聞いても、嫌な話だ。
ルレイアを地獄に陥れ、闇に堕ちるきっかけを作った、悪魔みたいな学校。
ルリシヤは実家から追い出されたお陰で、あの学校に入らずに済んだ。
そう思えば、むしろ幸いだったのかもしれない。
でも、もしルリシヤがあの学校に無事入学していれば。
ルリシヤは闇の方に堕ちることなく、別の道に…光の方に、生きていられたのかもしれない。
『セント・ニュクス』での…かつての親友との…辛い思い出を作らずに済んだのかもしれない。
今頃帝国騎士団で、誰からも信頼され、称賛され、敬愛される帝国騎士になれていたのかもしれない。
ルリシヤにとっては、どちらが幸せだったのだろう。
それは誰にも分からないし、今更考えても仕方ない。
でも、考えずにはいられなかった。
「…追放されたんだ。縁を切られたんだ。だったら、今更ルリシヤに何の用だ。もう関係ないだろ」
ルリシヤには、今のルリシヤの人生がある。
今更、ルリシヤを追い出したクレマティス家が、何の用だ。
「僕の推測ですが…恐らくクレマティス家は、ルリシヤさんを実家に帰らせたいんだと思います。貴族に戻したいんだと」
「!?」
…なん、だって?
「分かった」
「それと、ルリシヤさんに見つかったら困るので、紙に書き残したりはしないでください。あくまで、ルルシーさんの頭の中にだけ記憶しておくようにお願いします」
俺は、一も二もなく頷いた。
それがルリシヤを守ることに繋がるのなら。
「それから…これから僕が話すのは、あくまで推論です。ルリシヤさんに確認を取った訳ではありませんし、100%確実な証拠がある訳でもありません」
それは仕方ないだろう。
ルリシヤが隠しているのだから、こちらはあくまで推測するしかない。
「その上で、まず、結論から言うと…ルリシヤさんは、ご実家から接触されている可能性があります」
「…!?」
ルリシヤがわざと隠そうとしているのだから、それなりのことなのだろうとは思っていたが。
…実家、だと?
「ルリシヤさんの実家、ご存知ですか?」
「確か…クレマティス家、だったよな」
「正解です。ルリシヤさんは中流貴族の一つ、クレマティス家の次男です」
「…」
嫌な流れになってきた。
俺にとってではない。
ルレイアにとって。
だって貴族の話なんて、ルレイアにとっては…。
「…ルレイア、無理に聞かなくても…」
俺とルーチェスの二人きりにしてくれて良い。
ルレイアにとっては、何度も聞きたくない話だろうから。
しかし。
「大丈夫です。別段、俺に関係のある話でもありませんし」
…それなら、良いけど。
「…無理はするなよ」
「分かってますって。本当心配性なんですから」
心配にもなるよ。
それだけのことがあったんだから。
「…続けても大丈夫ですか?」
「あぁ、済まん…」
ルリシヤが、実家のクレマティス家に接触を図られてる…だったな。
「何でそんなことになる?ルリシヤは、もうとっくに実家との縁は切れてるんだろ」
「はい。僕も『青薔薇連合会』に入る前に、ルリシヤさんのことは色々調べさせてもらいました。…彼が実の兄に疎まれ、帝国騎士官学校入学寸前に、実家から追放されたことも」
「…」
…何回聞いても、嫌な話だ。
ルレイアを地獄に陥れ、闇に堕ちるきっかけを作った、悪魔みたいな学校。
ルリシヤは実家から追い出されたお陰で、あの学校に入らずに済んだ。
そう思えば、むしろ幸いだったのかもしれない。
でも、もしルリシヤがあの学校に無事入学していれば。
ルリシヤは闇の方に堕ちることなく、別の道に…光の方に、生きていられたのかもしれない。
『セント・ニュクス』での…かつての親友との…辛い思い出を作らずに済んだのかもしれない。
今頃帝国騎士団で、誰からも信頼され、称賛され、敬愛される帝国騎士になれていたのかもしれない。
ルリシヤにとっては、どちらが幸せだったのだろう。
それは誰にも分からないし、今更考えても仕方ない。
でも、考えずにはいられなかった。
「…追放されたんだ。縁を切られたんだ。だったら、今更ルリシヤに何の用だ。もう関係ないだろ」
ルリシヤには、今のルリシヤの人生がある。
今更、ルリシヤを追い出したクレマティス家が、何の用だ。
「僕の推測ですが…恐らくクレマティス家は、ルリシヤさんを実家に帰らせたいんだと思います。貴族に戻したいんだと」
「!?」
…なん、だって?


