The previous night of the world revolution5~R.D.~

…で、今に至る。

「…何?何の話?」

そこまでして、お前は何を話そうとしてるんだ。

「何か、深刻な話なのか?」

「めちゃくちゃ深刻な話です」

…そうか。

そうでもなきゃ、こんな手の込んだ方法は使わんよな。

分かった。

「誰の話だ?」

「ルリシヤですよ」

成程。それで納得した。

ルリシヤは、認めたくはないが、盗聴や盗撮のプロだからな。

あいつに気づかれずに話をしようとしたら、こんな手でも使わないと不可能だ。

おまけにルリシヤは、ルレイアに似て、恐ろしく察しが良い。

事前に「深刻な話がある」と伝えられていたら、演技下手な俺やアリューシャは、すぐ顔に出てしまうだろう。

だから、事前に告知せず、奇襲して拉致するしかなかったのだ。

それは分かるけど、何でわざわざ小道具用意してんだよ。

「ルリシヤが…どうかしたか?」

「最近彼、何か、隠してるように見えません?」

「…」

何か隠してる…か。

「…分からん」

俺は正直にそう答えた。

あいつは、出会ったときから色々隠してたからな。

ルレイア以上に、あいつは隠し事のプロだ。

何もかも仮面の下に隠して、自分の素顔を隠そうとする。

そして、何事もないように振る舞うのだ。

例えその仮面の下に、苦しみや悲しみを抱えていたのだとしても。

器用なんだか、不器用なんだか。

「でもお前がわざわざそう言うってことは、何か隠してるように見えるんだな?」

「えぇ」

だから、わざわざ俺をここに呼んだ。

ルレイアの観察眼は、さすがのルリシヤでも隠しきれなかったか。

全く。俺の相棒を対面で騙せる奴って、いるのか?

「…本人には、何も聞いてないんだよな?」

「えぇ。本人に聞いても、まずはぐらかされるでしょうから」

だろうな。

でなきゃ、隠す必要がない。

「でも…特に変わりなく、普段通りに見えるけどな」

今日だって、いきなりやって来て、マジックを披露していった。

本当に疚しいことがあって、何かを隠しているのなら、わざわざ俺達の前に姿を見せたりはしないだろう。

「演技ですよ。ああやって敢えて『普段通り』を演じて、何事もないように振る舞ってるんです」

「…」

敢えて俺達の前に姿を現すことによって、わざと「普段通り」を演じるルリシヤもルリシヤだが。

それを見抜くお前は、本当にバケモノだな。

我が相棒ながら、恐ろしい。

ルレイアにだけは、隠し事は出来ない。