The previous night of the world revolution5~R.D.~

だが、そんなことを言った奴は、アリューシャを遥かに越える馬鹿だ。

「…誰が、そんなことを?」

「…地方にある、『青薔薇連合会』の支部に出張に行ったとき…。そこの末端構成員が話してるのを聞いちゃって…」

「その支部ごとぶっ潰してきましょうかね」

…今回ばかりは、ルレイアに賛成だぞ。

何を馬鹿なことを。

「でもね、本当だなって思ったの。私、皆と比べて地味だもの…」

「…」

「『天の光教』のときだって、私、役に立たなかったわ。私が被弾したせいで、敵を逃がして…。ルリシヤに押し付けて、早々に後衛に下げてもらって…」

あったな。そんなこと。

まだあんなことを覚えているなんて。

「あれはシュノ先輩のせいじゃない。俺の合流が遅れたから」

ルリシヤが、すかさずそう言った。

それに。

「ちげ、ちげーよ!アリューシャが前線に出たせいじゃん!」

「違う。全ては作戦指揮官である私の責任だよ。シュノのせいじゃない」

扉に正面衝突したせいで、鼻血をだらだら垂らしているアリューシャと、その手当てをしてあげているアイズが、続けて言った。

更に。

「逃がして良かったんですよ。あれ、逃げた残党を刈ったの、僕なんで」

ルーチェスがそう言った。

やっぱり、あれお前だったんだな。

「俺とルレイアが、前衛で捌ききれなかったのも悪いだろ」

中衛のシュノに、負担をかけ過ぎた。

それは、前衛にいた俺とルレイアの責任だ。

「いずれにしても、シュノさんに責任はありませんよ。あなたは最善を尽くしました。誰にも責められる謂れはありません」

「…うん。でも、それだけじゃないの」

…それだけじゃない?

「皆、何かしら特技を持ってるでしょ?ルレイアとルルシーは、二人で組むと飛び抜けて強いし…。アイズは情報戦が得意だし…。アリューシャは狙撃が得意…」

「…」

「ルリシヤは奇策の達人だし、今回新しく入ったルーチェスも…。私よりずっと賢くて、ルレイア並みに強くて、何でも器用にこなす天才肌で…」

「…」

「そんな凄い人に囲まれてるのに、私には何もない…。ルレイアやアイズみたいに賢くないし、飛び抜けて強い訳でもない。私、幹部には相応しくないんじゃないかって…」

…成程。

それで、悩んでたんだな。

自分に、幹部の称号は相応しくないのではないかと。

変態レベルの天才に囲まれたせいで、自分を凡人だと勘違いしているのだ。

「…シュノさん」

ルレイアは、静かに言った。

「…あなたは、アホですね」

…うん。

今だけは、ルレイアの暴言を止めようとは思わなかった。