The previous night of the world revolution5~R.D.~

お次は。

「えーと。ルリシヤさんのマジックと比べると、大変地味で申し訳ないんですけど」

ルーチェスが、小さな白い包みをシュノに差し出した。

「それに、シュノさんの趣味もよく知らないので。ささやかなものですが」

「…ありがとう…」

差し出されたプレゼントを、シュノはおずおずと受け取った。

何が入ってるんだろう。あれ。

「…開けて良い?」

「どうぞ」

洒落たマスキングテープで留められた包み紙を、丁寧に開けていくシュノ。

中に入っていたのは。

白地にレースのついた、洒落たハンカチであった。

しかも、ただのハンカチではない。

左下に、青い薔薇が刺繍してある。

これって、もしかして…。

「僕が刺繍しました」

やっぱり。

「お前…刺繍とかするんだな」

王族と言ったら、やっぱり色んなことを習わされ、

「え?いや初めてですよ。刺繍の本買って、独学で」

「…」

多才過ぎるぞ。ルーチェス。

初めてとは思えないくらい、上手である。

売り物レベル。

「可愛い…。ありがとう」

シュノも嬉しそうである。

いかにもシュノが好きそうだもんな。

これは嬉しい。

「そんなに喜んでもらえるとは、なんか恥ずかしいですね」

お前に恥という感情があったことに驚きだよ。

「それに、僕、あなたに嫌われてるような気がしてましたし」

「…」

「やっぱり気に食わないですか。元皇太子がマフィアに入るなんて」

「おい、ルーチェス…」

いくらなんでも直球過ぎるだろう。

すると、シュノは。

「違うの。そうじゃなくて…。あなたが嫌いな訳じゃなくて…」

「良いですよ。はっきり言ってくれて。そういう立場だってことは、自覚してますから」

「本当に違うのよ。そうじゃない…。あなたは信頼出来る人だって分かってる…」

「…その割には、何だか避けられてるようにも感じるんですが…」

「それは…何だか…その…」

…元々、シュノは人見知りするタイプだから。

それもあるんだろうけど…。

結局、シュノが落ち込んでる原因は、まだ分かってないんだよな。

すると、ルレイアが。

「…シュノさん。最近、元気ないですよね」

この機とばかりに、核心を突いた質問をした。