The previous night of the world revolution5~R.D.~

「ルーチェスさんの有能ぶりを、ルーチェスさんの嫁経由で、うちの嫁が聞いて、それ以来、『お隣の旦那さんは家事が上手なのに…』みたいな顔で俺を見るようになって」

「…」

「もう、情けなくていたたまれなくて。泣きそうになるんです」

…泣くどころか、お前踊ってたらしいぞ。

その辺の記憶は消えてるのかもしれない。

お前の良いところは、「よそと比べるな!」と逆上するのではなく。

「俺もそうなれたら良いのに…」と落ち込むところだな。

しかし、難しい問題だ。

逆立ちして、ルヴィアがルーチェスになれる訳でもなし。

どうしたら良いものか…。

「良い方法がありますよ、ルヴィアさん」

横から、ひょいっとルレイアが顔を出した。

何?

「な、何をすれば良いんですか!?」

バケツに水を汲んできて、頭を突っ込めと言われれば、すぐにでも実行しかねない勢いのルヴィア。

そのときは俺が止めよう。

「昼間の生活はルーチェスに負けても、夜の生活は負けないことを示せば良いんですよ。嫁を何度も絶頂させて、『お前をこんなによがらせられるのは、この世で俺だけだ』ということを嫁に身体で覚えさ、もごもごもご」

「黙ってようなルレイア…!」

案の定、余計なことしか言わねぇ。

ガムテープ持ってこい。ルレイアの口を塞いでやる。

「良いかルヴィア。本気にするな。本当に何とかしたいのなら、お前も料理や掃除を勉強してみるとか…」

「…勿論、それは考えました」

お、おぉ。

「でも駄目なんです。そもそも、やらせてくれないんです…」

「えっ、ヤらせてくれない?それじゃ結婚してる意味がな、」

「黙ってようなルレイア…!!」

意味が違うんだよ。意味が。

誰か糸と縫い針持ってきてくれ。こいつの口を縫うから。

「あなたはすぐ家の中を魔境にするから、って…」

「…つまり家事に関しては、全然期待されてないんだな?」

「うぅ…」

名誉を挽回する機会もない、と。

何て言うか…。それは…気の毒だったな、ルヴィア。