The previous night of the world revolution5~R.D.~

「毎日、嫁の為に料理を作ってあげてるらしいんです…。それも普通の家庭料理じゃなくて、横文字のお洒落な料理を…」

「…」

横文字のお洒落な料理…。

ブルスケッタとか、ビシソワーズとか?

アリューシャがよく噛む奴…。

そりゃまぁ…あいつの生まれと育ちを考えると、一般家庭ではなかなかお目にかかれない、お洒落な料理が食卓に並んでもおかしくない。

「牛テールのワイン煮込みなんて作ってるらしいんです…。牛の尻尾って…食べれるんですね…」

「…」

…牛は鳴き声以外全部食べられる、ってよく言うもんな。

「物凄く美味しいアップルパイも、お裾分けしてくれて…。それも初めて作ったって言うんですよ」

多才なんだな。

元皇太子が料理上手とは…。世の中分からないもんだな。

まぁ、元帝国騎士団四番隊隊長の上流貴族が、マフィアでエロス振り撒いてるような時代だもんな。

元皇太子が、美味しいアップルパイを作っていたとしても、何もおかしくはない。

「しかも、料理だけじゃないんです」

「え?」

「掃除も出来るそうなんです。物凄く手際良く、短時間でパパっと綺麗にしてしまうそうで」

…熟練主婦か何かか?あいつ。

本当に元皇太子か?

何でそんなに家事が上手いんだ。

「同じ部屋の間取りなのに、ルーチェスさんの家は、インテリアに凝ってて。雑誌に載ってそうなお洒落な部屋なんだそうです。それも全部、ルーチェスさん指導で模様替えしたって…」

「あー…」

…少し前まで、王宮に住んでたくらいだもんな。

そりゃあ、インテリアのセンスにも恵まれているだろう。