The previous night of the world revolution5~R.D.~

俺は、ルレイアと共にルヴィアの執務室までやって来た。

…扉を開ける勇気が出ねぇ。

「…ルレイア」

「はい?」

「マジでルヴィアが踊ってたらどうしよう」

「正気に戻るまで、ぶん殴ったら良いんじゃないですか?」

お前は何でそんなに過激派なんだ。

俺の部下だぞ。

嫁さえ絡まなきゃ、あいつは優秀な得難い部下なのだ。

正気でいてもらわなければ困る。

「…よし」

開けるぞ。

良いな、開けるぞ。

その先に何が待っていようと。

「入るぞ、ルヴィア」

俺はそう呼び掛けて、ルヴィアの執務室の扉を開けた。

すると。

「…」

「…」

部屋の隅に、体育座りしてずーん、と沈み込んでいるルヴィアの姿があった。

…踊ってなくて良かった。

ホッと一安心。

「おい、ルヴィア…」

「…フューニャフューニャフューニャフューニャフューニャフューニャ…」

しかし、正気ではない。

「おい、しっかりしろルヴィア!」

「あははははうぇはあばばば※↓⊃⌒⊆∈●≦」

目からはボロボロと涙を流してるのに、ゲラゲラ笑ってやがる。

やっぱり救急車呼べ。

「落ち着け、現実世界に戻ってこい!ルヴィア!」

「あばばばばば」

必死に声をかけるも、ルヴィアは奇声を発しながら、床をゴロゴロ転がり回っていた。

…。

「…ルレイア」

「はい」

「うちの部下は…もう駄目かもしれん」

「奇遇ですね。俺もそう思っていたところです」

もう自然のなり行きに任せて、そっとしておくべきなのではないか…と。

思っていた、そのとき。

「…ん?ルレイア先輩、ルルシー先輩も。どうしたんだ?こんなところで」

「あ、ルリシヤ…」

「いかにも。通りすがりのルリシヤだ」

通りすがりのルリシヤが、丁度ルヴィアの部屋に入ってきて。

そして、床で転がってるルヴィアを見下ろした。

「…何だこれは?新種の人型生命体か?」

「…一応人間だ…」

これって言うな。俺の部下なんだぞ。

優秀なんだぞこれでも。…多分。

「一体何事があってこんなことに?」

「分からん。でも多分…」

ルレイアと顔を見合わせる。

ルヴィアがこうなる理由と言ったら…一つしかない。

「…捨てられたな」

「捨てられましたね」

間違いなく、嫁に捨てられたのだろう。

でなきゃ、ルヴィアがこうなる訳がない。

「とにかく事情を聞きたいんだが、正気に戻す方法が分からない」

「成程。ちょっと待ってくれ」

ルリシヤは床でゴロゴロしているルヴィアを捕まえ。

「ふんっ」

脳天に、ルリシヤチョップを入れた。

すると。

「ふぁっ!」

ルヴィアが、現実に帰ってきた。

「あ、あれ…?嫁は何処…?俺は誰…?」

ただし、まだ正気かどうかは不明。

お前はルヴィアだぞ。

「ルヴィア…。生きてるか?」

「…はい…」

よし、返事は出来るな。

「済まんな、ルリシヤ…。恩に着る…」

お前がいなかったら、ルヴィアは今頃悶死していたかもしれない。

「気にするな、ルルシー先輩。先週も新たに、寝室に高スペックカメラを仕掛けさせてもらったし。そのお礼だ」

ルリシヤは爽やかにそう言って、颯爽と去っていった。

…あいつ、今とんでもないこと言って行かなかった?

帰ってから、寝室を徹底的に洗おう。