The previous night of the world revolution5~R.D.~

「…ねぇ、ルーチェス君」

「はい?」

「私、夢があったんだけど。叶えてくれる?」

「僕に出来ることなら、何でも」

国が欲しいと言われれば、その国の国家元首を暗殺しに行こう。

月が欲しいと言われれば、宇宙開発センターを買収しよう。

それくらいの願いなら、どうとでも…。

…と、思っていたのだが。

「…お姫様抱っこして」

「…え。そんな簡単なことで良いんですか?」

「夢だったんだよ。好きな人にお姫様抱っこしてもらうの」

…変わった夢だな。

まぁ、良いや。それくらいなら。

「ぎゅーってしてね。ぎゅーって」

「分かりました。よいしょっと…」

ひょい、と抱き上げる。

…これで良いのか?

「ふふ…。夢叶った。幸せだなぁ…」

「それは良かったですね」

「もっとぎゅーってして」

「良いですけど…」

「…重い?」

「正直ちょっと重いです」

「…」

「いたたたたた」

鼻を摘ままれた。

正直に言っただけなのに。

「そういうことはね、言わないの」

「はい…」

「嘘でも、重くないよって言いなさい」

「重くないよ」

「宜しい」

セカイさんは、僕の首に両腕を回し、思いっきりぎゅーっと抱きついてきた。

…嘘ついてみても、やっぱりちょっと重いのだが。

でも何だか…幸せなので、それで良い。