The previous night of the world revolution5~R.D.~

…何故、そんな心配そうな顔を。

「…気に入りませんでした?やっぱり一軒家の方が良いです?」

「ううん!そうじゃなくて…。これだけ良い部屋だと、家賃とか…高くない?」

…家賃…。

ホテル代みたいなもんか。

「私も働くつもりだけど…。今のお店は辞めるよ?水商売以外で…。だけど、私学歴ないし…。多分、スーパーのレジとか、飲食店のアルバイトくらいしか雇ってもらえないだろうから…」

「え?いや、別に働かなくて良いですよ。働きたいなら、それはそれで良いですけど」

「働かなくて…。って、ルーチェス君、今まではお客さんだったから、聞いたことなかったけど…。何のお仕事してたの?」

「何もしてませんでしたよ?」

「無職!?」

「えぇ、無職です」

「…」

…何?この沈黙。

セカイさんが物凄く驚いてるのは分かる。

「…あっ、もしかして実家が物凄くお金持ち、とか…」

「あぁ、実家は金持ちですよ」

王家だからね。

「成程、そういうこと…。分かった。でも、ルーチェス君。結婚したからには、二人で自立しようよ。実家に援助してもらうんじゃなくて…」

「実家は援助してくれないですよ。絶縁してきたので」

「…」

「絶縁を条件に、セカイさんと結婚したので」

「…」

「…大丈夫ですか?」

セカイさん、なんかクラクラしてる。

どうしよう。早速夫婦の危機?

「…ルーチェス君。私、君についていけなくなりそうだよ…」

「え。それは困ります。折角結婚したのに」

「今も無職ってこと?」

「いいえ。さっき就職してきました」

「何の仕事?」

「マフィアの特務諜報員です」

「…」

「…大丈夫ですか?」

「…私の頭が、キャパオーバーしそうだよ…」

それは大変だ。

新婚生活の危機。

「救急車呼びます?」

「その前に、ルーチェス君の人生歴聞かせて。もうそこから始めよう。でなきゃ、私話についていけない」

「成程。僕が生まれてから今に至るまでのことを、セカイさんに説明すれば良いんですね?」

「そういうこと」

セカイさんは、僕に人生歴教えてくれたもんな。

僕も教えないと。

「じゃあ話していくんで、気になるところがあったら、突っ込んで聞いてください」

「分かった」

「えーっと…まず、ルティス歴某年、ベルガモット王家第三子、ルーチェス・ジュリアナ・ベルガモットとして誕生」

「はい!そこ突っ込み!」

えっ。もう?