「僕が騙されているって、どういう意味ですか」
「殿下、あなたは風俗嬢というものをご存知でないのです。彼女達はハイエナですよ。甘い言葉で客を…つまり殿下を騙し、『自分だけは特別だ』と思い込ませ、金や貴金属を貢がせる…」
「…」
「あなたにとっては、その風俗嬢はただ一人の女性でしょう。しかし、風俗嬢にとっては、あなたは大勢の客のうちの一人でしかないのです。良いカモにされているのですよ」
カモ…カモね。
…くるっぽー。…って、それはハトか。
ともかく、レスリーが言いたいのは、僕がセカイさんに騙されている、と。
セカイさんが僕に優しくするように、他の男にも同じようにしていると。
そう言いたい訳か。
「…レスリー」
風俗嬢という職業をやっている人の中に、そういう類の悪どい女性がいることくらい、僕だって知ってる。
「その程度のこと、見極められない僕だと思いますか?」
「…殿下…」
今まで、僕は色んな人間を見てきた。
皇太子だからこそ分かる。
目の前の人間が、何を目的に自分に近づいてきているのか。
大抵は、権力、出世欲、そして金…。
媚び諂うような目。
あるいは、利用してやろうという目…。
欲にまみれた、醜い人間の顔。
一目見れば、すぐに分かる。
こんなところで生きていれば、嫌でも分かるようになる。
セカイさんは、そういう目で僕を見ていない。
もし彼女が僕を騙して、僕に向かって、純情であるような演技をしているのならば。
彼女は今すぐ店をやめて、女優に転身するべきだ。
一躍大スターになれることだろう。
「いずれにしても、僕が選んで、僕が決めた相手です。責任は、僕が取ります」
「…」
「自分のことを、自分で責任も取れないような人間に、人の上に立つ資格などありません」
僕は馬鹿だろう。
幼稚で、浅はかで、下品で、身勝手な人間だろう。
でも、無責任な人間だとは言われたくない。
「…殿下」
「はい」
「どうか、ご改心ください」
「無理ですね。恐らく」
改心させてもらえるものなら、やっみてくれ。
まず無理だから。
「…」
やがて、レスリーは溜め息をついて、無言で退室した。
…物凄く、罪悪感。
罪悪感を感じるくらいなら、勝手なことするなっての。
「…我が儘だな、僕は…」
マフィアと関わりを持ってしまった以上、もう引き返す道なんてないのに。
誰に何と言って責められることも、覚悟していたじゃないか。
それでも。
それでも僕は、自分の自由に生きたいのだ、と。
「殿下、あなたは風俗嬢というものをご存知でないのです。彼女達はハイエナですよ。甘い言葉で客を…つまり殿下を騙し、『自分だけは特別だ』と思い込ませ、金や貴金属を貢がせる…」
「…」
「あなたにとっては、その風俗嬢はただ一人の女性でしょう。しかし、風俗嬢にとっては、あなたは大勢の客のうちの一人でしかないのです。良いカモにされているのですよ」
カモ…カモね。
…くるっぽー。…って、それはハトか。
ともかく、レスリーが言いたいのは、僕がセカイさんに騙されている、と。
セカイさんが僕に優しくするように、他の男にも同じようにしていると。
そう言いたい訳か。
「…レスリー」
風俗嬢という職業をやっている人の中に、そういう類の悪どい女性がいることくらい、僕だって知ってる。
「その程度のこと、見極められない僕だと思いますか?」
「…殿下…」
今まで、僕は色んな人間を見てきた。
皇太子だからこそ分かる。
目の前の人間が、何を目的に自分に近づいてきているのか。
大抵は、権力、出世欲、そして金…。
媚び諂うような目。
あるいは、利用してやろうという目…。
欲にまみれた、醜い人間の顔。
一目見れば、すぐに分かる。
こんなところで生きていれば、嫌でも分かるようになる。
セカイさんは、そういう目で僕を見ていない。
もし彼女が僕を騙して、僕に向かって、純情であるような演技をしているのならば。
彼女は今すぐ店をやめて、女優に転身するべきだ。
一躍大スターになれることだろう。
「いずれにしても、僕が選んで、僕が決めた相手です。責任は、僕が取ります」
「…」
「自分のことを、自分で責任も取れないような人間に、人の上に立つ資格などありません」
僕は馬鹿だろう。
幼稚で、浅はかで、下品で、身勝手な人間だろう。
でも、無責任な人間だとは言われたくない。
「…殿下」
「はい」
「どうか、ご改心ください」
「無理ですね。恐らく」
改心させてもらえるものなら、やっみてくれ。
まず無理だから。
「…」
やがて、レスリーは溜め息をついて、無言で退室した。
…物凄く、罪悪感。
罪悪感を感じるくらいなら、勝手なことするなっての。
「…我が儘だな、僕は…」
マフィアと関わりを持ってしまった以上、もう引き返す道なんてないのに。
誰に何と言って責められることも、覚悟していたじゃないか。
それでも。
それでも僕は、自分の自由に生きたいのだ、と。


