The previous night of the world revolution5~R.D.~

そう。

僕は、既に婚約済みである。

相手が誰かなんて、言わずとも分かるな?

僕が処女を奪ったのだから、責任を取るのは当たり前である。

婚約指輪も送ったしな。

結婚の為に、花嫁修業ならぬ、花婿修業として、炊事と料理も習得した。

あとは結婚を待つのみである。

「い…いつの間に…?」

「もう結構前になりますかね…?宝石商呼んでもらったじゃないですか。婚約指輪買う為に」

「…!!あれは、そういう意味で!?」

「…?何の意味だと思ってたんですか?」

「て、てっきりご自分の装飾品を購入されたのかと…!」

何で、僕が自分の為に装飾品なんて買わなきゃならないんだ。

要らないよそんなの。

「こ、婚約というのは!女王陛下と、皇太后様と、帝国騎士団と、その他諸々王室関係者が賛同して、初めて為されるものです!誰が、どなたと勝手に結婚を決めたのですか!」

「僕が、セカイさんと結婚を決めました」

「~っ!!」

ぼんくらな姉や、尻軽の母や、王室関係者の意見など知ったことか。

自分の結婚相手くらい、自分で探すし、自分で決める。

「い、一体誰なのです、そのセカイという人は!何処の貴族の娘ですか!」

「え。貴族じゃありませんよ?」

「…は?」

「貴族じゃありません。一般女性の方です」

「…」

「父親が不明で、母子家庭だったそうなんですが、母親が逃げて孤児院育ちだそうです」

まぁ、その間親戚をたらい回しにされたそうだが、そこは省いて。

「で、今は帝都の夜の繁華街で、風俗店に勤めています。僕と会ったのも、その店なんですよ」

「…」

「あ、心配しなくても、風俗店と言っても本番をやる店じゃないんで。精々『やんわりえっち』くらいですから」

「…」

「あ、歳は僕の一つ上です。僕が彼女の処女を奪っちゃったので、責任取って結婚することにしました」

「…」

「…レスリー?」

レスリーは、しばらくわなわなと震えていたかと思うと。

白目を剥いて、その場にばったりと倒れた。

え、嘘。

「レスリー…生きてます?」

ゆさゆさ、と揺さぶってみる。

ぴくりとも動かない。

「…レスリー。あなたのことは…忘れません」

「…勝手に…殺さないでくださいませ…」

あ、生きてた。