「…何?」
僕、今ちょっとテンション上がってたところだったんですけど。
邪魔しに来るとか何?
皇太子のパーリーナイトを邪魔するとか何?
「殿下、こちらをごら…って、またあなたは、何を読んでいらっしゃるのですか!」
「エロ本ですよ」
「えっ…!な、なんというものを!」
そんな時間に来るのが悪いだろ。
今はそういう時間だ。
「いや、それより!殿下!もうそんなものは必要ありませんぞ!」
…は?
僕にエロ本が必要ないって、そんなの世界の誰が決めたんだ。
僕にエロ本が必要かどうかは、僕が決めることだ。
もっと正しく言うなら、僕の性欲が決めることだ。
誰だ。勝手に決めたのは。
「こちらをご覧ください!」
レスリーは、ほくほく顔でそれらを手渡してきた。
…何だこれは。
仕方なく、僕は開きかけたエロ本を閉じて脇に置き。
レスリーが渡してきたものを、ぱらりと開いた。
一冊三ページほどのその冊子には、一ページ目に大きな顔写真が乗っていた。
何?この証明写真。
「…あなた、何考えてるんですか」
「は?」
「普段エロ本で抜いてる僕が、今更こんな証明写真で抜ける訳ないじゃないですか!」
馬鹿にしてるのか僕を。
女に免疫のない童貞なら、ちょっと鮮明な証明写真くらいで抜けるだろうと。
言っとくが僕は童貞じゃないし、こんな証明写真で抜けるほどウブではない。
舐めてもらっては困る。
「そ、そういう意味で言っているのではありません!」
顔真っ赤のレスリー。
エロ本の代わりに渡してくるんだから、そういう意味じゃないのか。
じゃあどういう意味だ。
すると。
「…ん?」
写真の二ページ目に、やたら長ったらしい名前と、学歴、経歴、家族歴らしきものが長々と書いてあった。
三ページ目も全部、そんな感じ。
これって…もしかして。
「良いですか、殿下。これは、お見合い写真です」
「…」
「殿下の、未来の妃となる方の候補でございます」
「…」
「皇太后様と相談致しまして、殿下には、そろそろ身を固めて頂こうというお話になりました。そこで、殿下にはこの中から、お妃様を選んで頂きます」
「…」
「これで、もうエロ本などという低俗なものを読む必要はありませんぞ。殿下もそろそろ妻帯なさって、そしてお子を授かり、ベルガモット王室の正当な世継ぎを…」
「…」
「…殿下?」
…レスリーが。
僕に、何を期待しているのかは分かった。
しかし。
「…ゴミですよ、こんなもの」
僕は、ベッドサイドのゴミ箱に、見合い写真を投げ捨てた。
「あぁっ!殿下、なんということを!この娘達は、殿下に相応しい上流貴族のご息女達で…」
「必要ありません」
「何故です!殿下も皇太子たる者、いずれはご結婚なさらなくては…」
「結婚は勿論しますよ」
俺に結婚願望がないなんて、いつ言った。
結婚願望はある。
「ならば、その中からお妃様を…」
「結婚相手なら、もう決まってますよ」
「…は?」
「婚約済みなので。既に」
「…………………は?」
そのときのレスリーの顔は。
観測史上、もっとも間抜けであった。
僕、今ちょっとテンション上がってたところだったんですけど。
邪魔しに来るとか何?
皇太子のパーリーナイトを邪魔するとか何?
「殿下、こちらをごら…って、またあなたは、何を読んでいらっしゃるのですか!」
「エロ本ですよ」
「えっ…!な、なんというものを!」
そんな時間に来るのが悪いだろ。
今はそういう時間だ。
「いや、それより!殿下!もうそんなものは必要ありませんぞ!」
…は?
僕にエロ本が必要ないって、そんなの世界の誰が決めたんだ。
僕にエロ本が必要かどうかは、僕が決めることだ。
もっと正しく言うなら、僕の性欲が決めることだ。
誰だ。勝手に決めたのは。
「こちらをご覧ください!」
レスリーは、ほくほく顔でそれらを手渡してきた。
…何だこれは。
仕方なく、僕は開きかけたエロ本を閉じて脇に置き。
レスリーが渡してきたものを、ぱらりと開いた。
一冊三ページほどのその冊子には、一ページ目に大きな顔写真が乗っていた。
何?この証明写真。
「…あなた、何考えてるんですか」
「は?」
「普段エロ本で抜いてる僕が、今更こんな証明写真で抜ける訳ないじゃないですか!」
馬鹿にしてるのか僕を。
女に免疫のない童貞なら、ちょっと鮮明な証明写真くらいで抜けるだろうと。
言っとくが僕は童貞じゃないし、こんな証明写真で抜けるほどウブではない。
舐めてもらっては困る。
「そ、そういう意味で言っているのではありません!」
顔真っ赤のレスリー。
エロ本の代わりに渡してくるんだから、そういう意味じゃないのか。
じゃあどういう意味だ。
すると。
「…ん?」
写真の二ページ目に、やたら長ったらしい名前と、学歴、経歴、家族歴らしきものが長々と書いてあった。
三ページ目も全部、そんな感じ。
これって…もしかして。
「良いですか、殿下。これは、お見合い写真です」
「…」
「殿下の、未来の妃となる方の候補でございます」
「…」
「皇太后様と相談致しまして、殿下には、そろそろ身を固めて頂こうというお話になりました。そこで、殿下にはこの中から、お妃様を選んで頂きます」
「…」
「これで、もうエロ本などという低俗なものを読む必要はありませんぞ。殿下もそろそろ妻帯なさって、そしてお子を授かり、ベルガモット王室の正当な世継ぎを…」
「…」
「…殿下?」
…レスリーが。
僕に、何を期待しているのかは分かった。
しかし。
「…ゴミですよ、こんなもの」
僕は、ベッドサイドのゴミ箱に、見合い写真を投げ捨てた。
「あぁっ!殿下、なんということを!この娘達は、殿下に相応しい上流貴族のご息女達で…」
「必要ありません」
「何故です!殿下も皇太子たる者、いずれはご結婚なさらなくては…」
「結婚は勿論しますよ」
俺に結婚願望がないなんて、いつ言った。
結婚願望はある。
「ならば、その中からお妃様を…」
「結婚相手なら、もう決まってますよ」
「…は?」
「婚約済みなので。既に」
「…………………は?」
そのときのレスリーの顔は。
観測史上、もっとも間抜けであった。


