「けっ…結婚でございますか?」
レスリーは、青天の霹靂だったらしいが。
母は事も無げに頷いた。
「身が定まっていないから、ふらふらと下らないことにもうつつを抜かすのでしょう。妻の一人でも与えて、身を固めさせれば、きっと落ち着きます」
「な、成程…。一理ありますな」
一理も糞もない。
「それに、ベルガモット王室の正当な嫡子の中で、男児はあの子だけです。早いうちに世継ぎを生ませ、王室の未来を安泰にしなくては」
女性でも国王になれるベルガモット王室だが、やはり男児である方が望まれるのは事実。
国内ではともかく、国外からは「所詮は女」と舐められることがあるからだ。
現女王であるアルティシアには夫はいないし、それなら、結婚適齢期で、しかも男児である僕に妻帯させ、生まれた子を世継ぎに定めるのが得策。
おまけに、ふらふらと遊んでばかりいる皇太子も、妻帯し、子が生まれれば、少しは落ち着くだろう。
これぞ一石二鳥。
母はそう考えたのだろう。
そして、レスリーも異論はなかった。
僕が落ち着き、しかも王室も安泰となれば、反対する理由はない。
始めこそ驚いたものの、レスリーは、それは名案とばかりに深々と頷いた。
思えば僕がエロ本ばかり読むのは、性的に欲求不満であるからであって。
そこに妻が出来れば、エロ本を買いに王宮を脱走する、なんてこともなくなるだろう。
更にそこに子供まで出来れば、あの皇太子も、きっと王族としての自覚が芽生えよう。
うん。きっとそうに違いない。
レスリーはそう信じ込んだ。
「畏まりました。では、殿下の妻となるに相応しい娘を、上流貴族の息女の中から数人、選んでおきます」
「えぇ。そうしてください」
皇太子の妻候補は、国内の上流貴族の中から、結婚適齢期の娘を選べば良い。
未来の王妃、そして皇太后になるに相応しい家柄と、人柄の持ち主を。
数人ほど候補を絞って、皇太子に見せ、その中から一人を選ばせる。
そして選んだ娘の家に連絡すれば、それで婚約成立だ。
先方が断ることは、まずない。
ベルガモット王家から正式に、次期国王である皇太子の妻に選ばれたのだ。
断る、などと言えば、神に逆らうも同義。
まず間違いなく断らないだろう。
むしろ、これは大変な名誉だと、もろ手を上げて喜ぶだろう。
自分の家から王妃が出れば、家の名前に箔がつく。
おまけに、ベルガモット王家の親戚筋の一つに数えられることになるのだ。
今後ベルガモット王室の家系図に、名前が載ることにもなる。
貴族として、この上ない名誉である。
こうしてはいられない。
今すぐ、皇太子の嫁候補を探さなくては。
「それでは、失礼致します」
レスリーは嬉々として、母の部屋を出ていった。
レスリーは、青天の霹靂だったらしいが。
母は事も無げに頷いた。
「身が定まっていないから、ふらふらと下らないことにもうつつを抜かすのでしょう。妻の一人でも与えて、身を固めさせれば、きっと落ち着きます」
「な、成程…。一理ありますな」
一理も糞もない。
「それに、ベルガモット王室の正当な嫡子の中で、男児はあの子だけです。早いうちに世継ぎを生ませ、王室の未来を安泰にしなくては」
女性でも国王になれるベルガモット王室だが、やはり男児である方が望まれるのは事実。
国内ではともかく、国外からは「所詮は女」と舐められることがあるからだ。
現女王であるアルティシアには夫はいないし、それなら、結婚適齢期で、しかも男児である僕に妻帯させ、生まれた子を世継ぎに定めるのが得策。
おまけに、ふらふらと遊んでばかりいる皇太子も、妻帯し、子が生まれれば、少しは落ち着くだろう。
これぞ一石二鳥。
母はそう考えたのだろう。
そして、レスリーも異論はなかった。
僕が落ち着き、しかも王室も安泰となれば、反対する理由はない。
始めこそ驚いたものの、レスリーは、それは名案とばかりに深々と頷いた。
思えば僕がエロ本ばかり読むのは、性的に欲求不満であるからであって。
そこに妻が出来れば、エロ本を買いに王宮を脱走する、なんてこともなくなるだろう。
更にそこに子供まで出来れば、あの皇太子も、きっと王族としての自覚が芽生えよう。
うん。きっとそうに違いない。
レスリーはそう信じ込んだ。
「畏まりました。では、殿下の妻となるに相応しい娘を、上流貴族の息女の中から数人、選んでおきます」
「えぇ。そうしてください」
皇太子の妻候補は、国内の上流貴族の中から、結婚適齢期の娘を選べば良い。
未来の王妃、そして皇太后になるに相応しい家柄と、人柄の持ち主を。
数人ほど候補を絞って、皇太子に見せ、その中から一人を選ばせる。
そして選んだ娘の家に連絡すれば、それで婚約成立だ。
先方が断ることは、まずない。
ベルガモット王家から正式に、次期国王である皇太子の妻に選ばれたのだ。
断る、などと言えば、神に逆らうも同義。
まず間違いなく断らないだろう。
むしろ、これは大変な名誉だと、もろ手を上げて喜ぶだろう。
自分の家から王妃が出れば、家の名前に箔がつく。
おまけに、ベルガモット王家の親戚筋の一つに数えられることになるのだ。
今後ベルガモット王室の家系図に、名前が載ることにもなる。
貴族として、この上ない名誉である。
こうしてはいられない。
今すぐ、皇太子の嫁候補を探さなくては。
「それでは、失礼致します」
レスリーは嬉々として、母の部屋を出ていった。


