「…ん…?」
目を覚ました俺は、鼻腔をくすぐる甘い匂いを感じた。
…?
何だ、この匂いは…。
のろのろと起き上がる。
「…」
…なんか、キッチンから物音がするんだけど。
気のせいですかね。
うん、きっと気のせいだ。
あー良い朝だ、と俺はベッドの上で伸びをして、キッチンに繋がる扉を開けた。
「あ、おはようございますルルシーさん」
「…」
「朝食、丁度出来たところなんですよ。すぐ食べられますよ」
にこっ、と微笑む皇太子殿下、ルーチェス。
…うん。
とりあえず、一つ言わせてもらって良い?
「…お前まで侵入してくるんじゃねぇ!」
ルレイアとルリシヤだけで、充分手を焼いているというのに。
そこに更に増やされてたまるか。
って言うか、俺は俺で、何で気づかず寝てるんだよ!
「何処から入ってきた!」
「え?侵入経路だったら、ルリシヤさんに教えてもらいましたけど」
「あいつかぁぁぁ…!!」
あの、元祖不法侵入者め。
警察に突き出すぞ。
「それより、ルルシーさん」
「それよりって何だ。今、我が家のセキュリティ以上に大事なことがあるのか?」
「朝食食べましょう。出来立てのうちに」
「…え?」
よく見てみると。
テーブルの上には、たくさんの食器が並べられていた。
わざわざランチョンマットまで敷かれて。
「こ、これ…」
なんか甘い匂いするなーと思ってたけど…。
そこに並んでいたのは、およそ朝食にするには勿体ないような、豪勢なメニューの数々であった。
柔らかそうな焼きたてのパンと、ラムレーズンクリームチーズ。
こんがりと焼き目のついた、パイ包みシチュー。
野菜のたっぷり入ったキッシュ。
ドレッシングをかけたローストビーフ。
デザートに、果物がたっぷり入った、透き通ったゼリーまで。
お、お前…。
「全部僕が作ったんですよ。家庭の味です」
「…ある意味、家庭の味ではないだろ…」
物凄い努力は感じる。
でも、家庭で毎日これは、さすがに無理があるのでは?
「そうですか?僕の普段の朝食に比べたら、質素ですけど…」
「…」
ごめん、そうだった。
こいつ、王子様なんだった。
一般人と感覚が違い過ぎる…。
そもそも、人の家に勝手に侵入してくる時点で、感覚はおかしい。
しかも。
目を覚ました俺は、鼻腔をくすぐる甘い匂いを感じた。
…?
何だ、この匂いは…。
のろのろと起き上がる。
「…」
…なんか、キッチンから物音がするんだけど。
気のせいですかね。
うん、きっと気のせいだ。
あー良い朝だ、と俺はベッドの上で伸びをして、キッチンに繋がる扉を開けた。
「あ、おはようございますルルシーさん」
「…」
「朝食、丁度出来たところなんですよ。すぐ食べられますよ」
にこっ、と微笑む皇太子殿下、ルーチェス。
…うん。
とりあえず、一つ言わせてもらって良い?
「…お前まで侵入してくるんじゃねぇ!」
ルレイアとルリシヤだけで、充分手を焼いているというのに。
そこに更に増やされてたまるか。
って言うか、俺は俺で、何で気づかず寝てるんだよ!
「何処から入ってきた!」
「え?侵入経路だったら、ルリシヤさんに教えてもらいましたけど」
「あいつかぁぁぁ…!!」
あの、元祖不法侵入者め。
警察に突き出すぞ。
「それより、ルルシーさん」
「それよりって何だ。今、我が家のセキュリティ以上に大事なことがあるのか?」
「朝食食べましょう。出来立てのうちに」
「…え?」
よく見てみると。
テーブルの上には、たくさんの食器が並べられていた。
わざわざランチョンマットまで敷かれて。
「こ、これ…」
なんか甘い匂いするなーと思ってたけど…。
そこに並んでいたのは、およそ朝食にするには勿体ないような、豪勢なメニューの数々であった。
柔らかそうな焼きたてのパンと、ラムレーズンクリームチーズ。
こんがりと焼き目のついた、パイ包みシチュー。
野菜のたっぷり入ったキッシュ。
ドレッシングをかけたローストビーフ。
デザートに、果物がたっぷり入った、透き通ったゼリーまで。
お、お前…。
「全部僕が作ったんですよ。家庭の味です」
「…ある意味、家庭の味ではないだろ…」
物凄い努力は感じる。
でも、家庭で毎日これは、さすがに無理があるのでは?
「そうですか?僕の普段の朝食に比べたら、質素ですけど…」
「…」
ごめん、そうだった。
こいつ、王子様なんだった。
一般人と感覚が違い過ぎる…。
そもそも、人の家に勝手に侵入してくる時点で、感覚はおかしい。
しかも。


