The previous night of the world revolution5~R.D.~

「料理など、シェフがするものです!殿下がなさることでは…」

「じゃあ聞きますけど、レスリー」

「何です?」

「料理が作れる皇太子と、料理なんてしたこともない皇太子、国民はどちらを支持すると思います?」

「…!それは…」

考えてもみろ。

卵の一つも割れない国王を、誰が立派だと思う?

国王(卵割れない)に指図されて、素直に従いたい者がいるか?

国王(卵割れない)が何を言っても、皆腹の中では、「卵も割れない癖に偉そうに…」と悪態をつくことだろう。

国民感情というのは、そういうものだ。

そんな国王、情けないだけじゃないか。

「出来ることは一つでも多い方が良い。身の回りのことは特に。そう思いませんか?」

「そ、それは…そうですが…」

ほら。

「非常時、災害時、いざとなったとき、国王はただでんと座って、料理が出てくるのを待ってるんですか?誰かが持ってきてくれるのを。何処の無能国王ですか」

「ぐ、ぐぬ…」

むしろ、そんな非常時だからこそ、国王が積極的に動き。

家臣や国民達のぶんまで、率先して食べるものを作るべきじゃないか。

それが王族の責務というものではないのか?

「し、しかし殿下…。万が一、包丁や火で怪我をなさることがあったら…」

「馬鹿馬鹿しい。剣術の訓練の方が、余程怪我をする可能性は高いですよ」

あれだけ剣術の稽古をしておきながら、今更。

「そんな訳で、僕は料理の得意な皇太子になります。レスリーも、賛成してくれますね?」

「ぐ…ぐぬぬ…」

よし、勝った。

珍しく、今日は勝ったぞ。

やはり、正論は世界を救うな。

「な、何だか上手く丸め込まれたような…。しかし殿下…やはり、後片付けはキッチンメイド達が…」

「作るだけ作って放置とか、何処の無能王子ですか。後片付けまでやらないと、料理とは言わないんですよ」

作って、食べたら、ちゃんと後片付け。

な、当然のことだろう?