The previous night of the world revolution5~R.D.~

さぁ。あとは、ケチャップをかけるだけだ。

ケチャップをどんな形にかけるかは、永遠のテーマだが…。

今回は、初回だし…定番をつこう。

「…折角だからハートにしよう…」

にゅにゅ~、とケチャップを搾り、ハートを描く。

よし。これで完璧。

「さぁ、後片付けの前に、熱いうちに食べてみましょう。ほら、レスリーも」

「え?私もですか…?」

「折角だから、味わって欲しいじゃないですか。感想を聞かせてください」

見た目は良いけど、味は不味かったら、切ないからな。

是非第三者の意見を聞いてみたい。

「は、はぁ。では失礼して…」

「えぇ。頂いてみましょう」

レスリーと二人、両端をスプーンで掬い取り。

ぱくりと一口。

「…何これうっま…」

やっぱり、僕は天才か。

「レスリーは?」

「ほう。確かに、美味ですな」

それは良かった。

美味しいと言ってもらえると、嬉しいものだ。

楽器を上手く弾けたとき褒めてもらえるのとは、また違う喜びがある。

「ヤバいですね…。僕、これを機に料理男子に目覚めてしまいそうな気がする…」

初めてだからそう思うだけかもしれないが、料理楽しい。

上手く出来ると、なお楽しい。

是非この傑作を、セカイさんにも食べて欲しいところであるが。

それはまた次の機会に。

一回上手く出来たんだから、きっと次も、上手く出来るはずだ。

あー美味い。

「…殿下」

「…?食べないんですか?レスリー」

「もう結構です。そんなことより…」

今、僕のオムライスが美味しい以上に大切なことがあるのか?

「あ、大丈夫。後片付けは後でするので」

食べ終わってからやります。冷めちゃうと勿体ないので。

しかし。

「そうではありません!全く、コック長に呼ばれて来てみれば、あなたは一体、何をしていらっしゃるんですか!?」

「何をって…」

見ての通り、料理だが?

「皇太子ともあろう方が、何故そのようなことを!」

あー…。またそういうこと言う。

始まったよ。いつもの説教が。

これが、料理に失敗して、無駄に食材を無駄にしただけだったら、怒られるのも分かるが。

数個の卵の犠牲の他には、ちゃんと食べられるものを作ってるし。

何なら割るのに失敗した卵も、殻さえ取り除けば、普通に使える。

それなのに、何故説教されなければならないのか。

僕に特技が増えるのは、良いことではないのか?

大体、今美味しいオムライスをご賞味してるところだから、説教なんてBGMにしたくはないのだが…。

仕方がない。

レスリーの気を鎮めるには、相手をしなくては。