カップ麺事件から数日後。
「ちょっとお邪魔しますね」
「…!?」
「!?」
僕が王宮の厨房に入ると、中にいたシェフを始め、キッチンメイド達が、ぎょっとした目で僕を見た。
「少々、話したいことがあるんですが…」
「は、はいっ」
奥から、一番高いコック帽を被ったコック長が、慌てて走ってきた。
「昼食のリクエストですか?でしたら何なりと…」
「あ、いやそうじゃなくて」
昼食のメニューをリクエストしに来た訳ではなく。
するとコック長。何を思ったか。
「も、申し訳ありません。朝食に、何かお気に召さないものが?」
は?
いや、朝食に文句をつけにきた訳でもなく。
「で、では…何が…」
「ちょっとこのキッチン、貸してくれません?」
「…は?」
コック長、ぽかーん。
僕は、そんなにおかしなことを言っただろうか。
「今日は姉上も、昼はホテルで会食ですし。僕の分は作らなくて良いです」
「え、で、ですが」
「自分で作りますから」
「えぇぇ!?」
…そんなに驚かれるとは。
何だ。巷では、最近は料理得意な男子って多いんじゃなかったのか。
僕がその一員になって、何か悪いことでもあるのか。
「自分で作るんで、ちょっと厨房貸してください」
「し、しかし殿下…!殿下ともあろう方が、ご自分で厨房に立つなど…!」
「僕が自分で料理したら、何か悪いことでも?」
「い、いえ。そういう訳ではございませんが…」
…何故そんなに渋られるんだ。
あ、もしかして。
「勝手に荒らされるのが嫌ですか?大丈夫、ちゃんと後片付けはしますから」
作るだけ作ってあとは放置なんて、無責任極まりないからな。
作ったからには、後片付けまでやるつもりである。
「そんな、滅相もございません!後片付けはわたくし共でやりますから…」
「そうですか。じゃ、貸してください」
「え、で…ですが、その…」
「…何か?」
言いたいことがあるなら、はっきり言ってくれ。
「で…殿下は、その…今まで、料理の経験は…」
「ありませんけど」
「さ、左様ですか…。でしたらその…どうしてもと仰るなら、僭越ながらわたくしが、殿下のお隣で、お手伝いをさせて頂けませんでしょうか」
…あ?
「殿下にもしものことがあっては大変ですから…」
…あー。成程…。
コック長の言わんとすることが分かった。
下手に厨房を貸して、僕が指を切ったり、火傷をしたり、厨房を爆破したりしては、コック長の首が飛ぶ。
それが心配だから、貸したくないんだな。
「僕が勝手にやることですから、あなた方の責任は問いませんよ」
僕が指を切り落とそうと、ケロイドを作ろうと、厨房を爆破…したら僕だけの問題じゃ済まないかもしれないが。
この人達は、何も悪くない。
「で、ですが…!それでしたら、下拵えは我々が致しますので、殿下は調味だけ…」
「何ですか、そのインスタント食品みたいな料理…。僕がやりたいのはそういう料理じゃないんですよ」
ちゃんと材料から、一から作らなきゃ意味がない。
「そういう訳なので、ちょっとお借りします」
「で、殿下…!?」
そうこうしていたら、もう昼になってしまう。
早いところ始めないと。
「ちょっとお邪魔しますね」
「…!?」
「!?」
僕が王宮の厨房に入ると、中にいたシェフを始め、キッチンメイド達が、ぎょっとした目で僕を見た。
「少々、話したいことがあるんですが…」
「は、はいっ」
奥から、一番高いコック帽を被ったコック長が、慌てて走ってきた。
「昼食のリクエストですか?でしたら何なりと…」
「あ、いやそうじゃなくて」
昼食のメニューをリクエストしに来た訳ではなく。
するとコック長。何を思ったか。
「も、申し訳ありません。朝食に、何かお気に召さないものが?」
は?
いや、朝食に文句をつけにきた訳でもなく。
「で、では…何が…」
「ちょっとこのキッチン、貸してくれません?」
「…は?」
コック長、ぽかーん。
僕は、そんなにおかしなことを言っただろうか。
「今日は姉上も、昼はホテルで会食ですし。僕の分は作らなくて良いです」
「え、で、ですが」
「自分で作りますから」
「えぇぇ!?」
…そんなに驚かれるとは。
何だ。巷では、最近は料理得意な男子って多いんじゃなかったのか。
僕がその一員になって、何か悪いことでもあるのか。
「自分で作るんで、ちょっと厨房貸してください」
「し、しかし殿下…!殿下ともあろう方が、ご自分で厨房に立つなど…!」
「僕が自分で料理したら、何か悪いことでも?」
「い、いえ。そういう訳ではございませんが…」
…何故そんなに渋られるんだ。
あ、もしかして。
「勝手に荒らされるのが嫌ですか?大丈夫、ちゃんと後片付けはしますから」
作るだけ作ってあとは放置なんて、無責任極まりないからな。
作ったからには、後片付けまでやるつもりである。
「そんな、滅相もございません!後片付けはわたくし共でやりますから…」
「そうですか。じゃ、貸してください」
「え、で…ですが、その…」
「…何か?」
言いたいことがあるなら、はっきり言ってくれ。
「で…殿下は、その…今まで、料理の経験は…」
「ありませんけど」
「さ、左様ですか…。でしたらその…どうしてもと仰るなら、僭越ながらわたくしが、殿下のお隣で、お手伝いをさせて頂けませんでしょうか」
…あ?
「殿下にもしものことがあっては大変ですから…」
…あー。成程…。
コック長の言わんとすることが分かった。
下手に厨房を貸して、僕が指を切ったり、火傷をしたり、厨房を爆破したりしては、コック長の首が飛ぶ。
それが心配だから、貸したくないんだな。
「僕が勝手にやることですから、あなた方の責任は問いませんよ」
僕が指を切り落とそうと、ケロイドを作ろうと、厨房を爆破…したら僕だけの問題じゃ済まないかもしれないが。
この人達は、何も悪くない。
「で、ですが…!それでしたら、下拵えは我々が致しますので、殿下は調味だけ…」
「何ですか、そのインスタント食品みたいな料理…。僕がやりたいのはそういう料理じゃないんですよ」
ちゃんと材料から、一から作らなきゃ意味がない。
「そういう訳なので、ちょっとお借りします」
「で、殿下…!?」
そうこうしていたら、もう昼になってしまう。
早いところ始めないと。


