こうなったら。
「うぇぇ~んシュノさん!ルルシーが酷いんです!婚約指輪まで用意したのに、婚約破棄するって言うんですよ!」
シュノさんに泣きつくと、彼女は俺を慰めるように背中をさすり、そしてキッ、とルルシーを睨んだ。
「ルルシー!それは酷いと思うわ。婚約指輪を受け取らないなんて!婚約指輪は、女の子の夢なのよ!」
「いや、女の子って…。ルレイアは男だろ…?」
いやんルルシー。
「高かったんですよこの指輪。ルルシーの為に丹誠込めて用意したんですよ!受け取ってくださいよ!」
「断る。お前と婚約したつもりはない」
酷い!
俺がこんなに頼んでるのに。断るなんて。
「ずっと夢だったんですよ、ルルシーとの婚約指輪!折角買ってきたんですから!」
「何度言われようと断る」
「酷いルルシー!こんなに頼んでるのに!」
「そうだぞルルシー先輩。俺が夜中に忍び込んで、ルルシー先輩の指輪のサイズを測ったんだから。受け取ってもらわないと俺の苦労が水の泡だ」
「お前らグルだったのかよ!さっきまでの茶番は何だったんだ!?」
いやん。それは言わないお約束。
お互い分かっててもこう…。遊びたくなるときってあるじゃん?
実際楽しかったし。
「ふざけんな!これ以上お前らの茶番に付き合ってられるか!」
「そんな!ルルシーはそんなに俺のことが嫌いなんですか!?」
俺は、涙目になってルルシーに訴えた。
ここまで断られるなんて、もうそうとしか思えない。
「は!?何でそんな話になるんだよ」
「だって、好きだったら受け取ってくれるでしょ!?受け取ってくれないってことは、俺のことが嫌いってことなんだ!ルルシーに嫌われるなんて!もう今生に生きている価値はない!帝都のルティス大河に飛び込んできます!」
「ちょ、ちょっと待てルレイア!」
こうなったら入水するしかない、と飛び出しかけた俺の腕を、ルルシーが慌てて掴んだ。
シュノさんはその光景を見て、涙目になって。
「ルルシー!受け取ってあげて!ルレイアはこんなにあなたを思ってるのに…!ここで指輪を受け取らないなんて、あなたは鬼よ。人の姿をした鬼だわ!」
「そうだそうだ!ルル公の血は何色だ!」
「心配されなくても赤だよ!」
嘘だ。ルルシーの血が赤いなら、ちゃんと指輪を受け取ってくれるはず。
「ルルシーが婚約指輪つけてくれないなら、俺は入水します!」
「分かった。分かったよルレイア!分かったから!」
えっ。
今ルルシー、分かったって言った?
「…つけてくれるんですか?」
「あぁつける。つけるよ。ただし、中指な。中指で妥協してくれ。頼むから」
えぇー。中指~?
それじゃあんまり意味ないんだけど…。まぁ、良いか。
つけてくれるんなら。
「分かりました。じゃあ片時も離さず、中指に嵌めててくださいね?」
「はいはい、分かった。だから入水はやめてくれ。な?」
こくり、と素直に頷く。
ここは妥協しよう。折角嵌めてくれる気になったんだから。
「ルレイア、良かったね…!素敵…!」
「実に感動的な瞬間だな」
幹部達に見守られ。
俺とルルシーは無事、婚約指輪を指に嵌めたのだった。
にゅふふ。
「うぇぇ~んシュノさん!ルルシーが酷いんです!婚約指輪まで用意したのに、婚約破棄するって言うんですよ!」
シュノさんに泣きつくと、彼女は俺を慰めるように背中をさすり、そしてキッ、とルルシーを睨んだ。
「ルルシー!それは酷いと思うわ。婚約指輪を受け取らないなんて!婚約指輪は、女の子の夢なのよ!」
「いや、女の子って…。ルレイアは男だろ…?」
いやんルルシー。
「高かったんですよこの指輪。ルルシーの為に丹誠込めて用意したんですよ!受け取ってくださいよ!」
「断る。お前と婚約したつもりはない」
酷い!
俺がこんなに頼んでるのに。断るなんて。
「ずっと夢だったんですよ、ルルシーとの婚約指輪!折角買ってきたんですから!」
「何度言われようと断る」
「酷いルルシー!こんなに頼んでるのに!」
「そうだぞルルシー先輩。俺が夜中に忍び込んで、ルルシー先輩の指輪のサイズを測ったんだから。受け取ってもらわないと俺の苦労が水の泡だ」
「お前らグルだったのかよ!さっきまでの茶番は何だったんだ!?」
いやん。それは言わないお約束。
お互い分かっててもこう…。遊びたくなるときってあるじゃん?
実際楽しかったし。
「ふざけんな!これ以上お前らの茶番に付き合ってられるか!」
「そんな!ルルシーはそんなに俺のことが嫌いなんですか!?」
俺は、涙目になってルルシーに訴えた。
ここまで断られるなんて、もうそうとしか思えない。
「は!?何でそんな話になるんだよ」
「だって、好きだったら受け取ってくれるでしょ!?受け取ってくれないってことは、俺のことが嫌いってことなんだ!ルルシーに嫌われるなんて!もう今生に生きている価値はない!帝都のルティス大河に飛び込んできます!」
「ちょ、ちょっと待てルレイア!」
こうなったら入水するしかない、と飛び出しかけた俺の腕を、ルルシーが慌てて掴んだ。
シュノさんはその光景を見て、涙目になって。
「ルルシー!受け取ってあげて!ルレイアはこんなにあなたを思ってるのに…!ここで指輪を受け取らないなんて、あなたは鬼よ。人の姿をした鬼だわ!」
「そうだそうだ!ルル公の血は何色だ!」
「心配されなくても赤だよ!」
嘘だ。ルルシーの血が赤いなら、ちゃんと指輪を受け取ってくれるはず。
「ルルシーが婚約指輪つけてくれないなら、俺は入水します!」
「分かった。分かったよルレイア!分かったから!」
えっ。
今ルルシー、分かったって言った?
「…つけてくれるんですか?」
「あぁつける。つけるよ。ただし、中指な。中指で妥協してくれ。頼むから」
えぇー。中指~?
それじゃあんまり意味ないんだけど…。まぁ、良いか。
つけてくれるんなら。
「分かりました。じゃあ片時も離さず、中指に嵌めててくださいね?」
「はいはい、分かった。だから入水はやめてくれ。な?」
こくり、と素直に頷く。
ここは妥協しよう。折角嵌めてくれる気になったんだから。
「ルレイア、良かったね…!素敵…!」
「実に感動的な瞬間だな」
幹部達に見守られ。
俺とルルシーは無事、婚約指輪を指に嵌めたのだった。
にゅふふ。


