対峙する、俺とルルシー。
ルルシーの目は怒りに燃えていて、そりゃあもう涎が出そうなくらい魅力的。
なのだが。
ここでそんなふざけたこと言ったら、絶交されかねない。
「…ルレイア」
「はい」
「俺は、今、怒ってる」
「…ですよね」
見たら分かります。
「何で怒ってるか分かるか?」
「えぇ。ルーチェスのことでしょ?」
「そうだ」
それ以外にないもんね。
俺、勝手に決めちゃったもんね。
だって、あのときルルシーを説得しようと思ったら、時間が足りなかったんだもん。
事後承諾にしてもらおうと思って。
ついつい、お怒りのルルシーを無視してしまった。
それは悪かったと思ってるよ。
「…お前、何考えてる?」
「俺が悪いこと考えてると思ってます?」
「何考えてるか分からないから、聞いてるんだよ。お前、何をするつもりだ?」
嫌な勘繰りだなぁ。
「何もしませんよ。彼が弟子にして欲しいって言うから、弟子にしてあげるだけです」
「あいつを通じて、ベルガモット王家にコネを作るつもりか?」
「そんなご大層なことまで、考えちゃいませんよ」
「ルーチェスを利用するつもりじゃないのか。ベルガモット王家に対する手駒にする為に」
やだなぁ。
ルルシーったら、そんな悪いこと考えてたのか?
「しません」
「何で?」
「意味がないからですよ」
現女王アルティシアは、俺達にとって何の脅威にもなり得ない。
王族に手駒は必要ない。
おまけに、そのアルティシアに万が一のことがあって、国王が変わったとしても。
次に王になるのは、さっきのルーチェスだ。
彼が『青薔薇連合会』と敵対するつもりがないのなら、わざわざ王室と関係を持つ必要はない。
「なら、何であいつと手を組んだんだ!」
「彼が弟子にして欲しいって言ってきたから」
「お前は馬鹿か!お前にそのつもりがなくても、向こうがお前を利用するつもりだったらどうするんだ!」
あぁ。
まぁ、その可能性はないとは言い切れないね。
でも。
「それはないですよ、ルルシー」
「何故そう断言出来る!」
「彼が馬鹿じゃないからです」
ルリシヤとまともに渡り合えるほどの実力を持ち。
勝手に王宮を抜け出し、単身マフィアの本拠地に乗り込んでくる度胸。
馬鹿に出来る芸当じゃない。
「この国に、本気で俺達を騙せる人間が、いると思いますか」
「…それは…。でも、女王の差し金かも…」
「あのアルティシアに、そんな度胸はありませんよ」
『青薔薇連合会』とは、努めて関係を避けるようにしているくらいなのに。
わざわざ弟を刺客として差し向けるなんて、そんな恐ろしい考え、思い付きもしないだろう。
帝国騎士団の差し金、ってのも有り得ない。
帝国騎士団が、仕えるべき王族を手駒にする訳がない。
仮にあのルーチェスが替え玉、あるいは影武者なのだとしても…。
…まぁ、疑い出せばキリがないのだが。
だが、彼に関しては、俺は信用出来ると思っている。
ルルシーの目は怒りに燃えていて、そりゃあもう涎が出そうなくらい魅力的。
なのだが。
ここでそんなふざけたこと言ったら、絶交されかねない。
「…ルレイア」
「はい」
「俺は、今、怒ってる」
「…ですよね」
見たら分かります。
「何で怒ってるか分かるか?」
「えぇ。ルーチェスのことでしょ?」
「そうだ」
それ以外にないもんね。
俺、勝手に決めちゃったもんね。
だって、あのときルルシーを説得しようと思ったら、時間が足りなかったんだもん。
事後承諾にしてもらおうと思って。
ついつい、お怒りのルルシーを無視してしまった。
それは悪かったと思ってるよ。
「…お前、何考えてる?」
「俺が悪いこと考えてると思ってます?」
「何考えてるか分からないから、聞いてるんだよ。お前、何をするつもりだ?」
嫌な勘繰りだなぁ。
「何もしませんよ。彼が弟子にして欲しいって言うから、弟子にしてあげるだけです」
「あいつを通じて、ベルガモット王家にコネを作るつもりか?」
「そんなご大層なことまで、考えちゃいませんよ」
「ルーチェスを利用するつもりじゃないのか。ベルガモット王家に対する手駒にする為に」
やだなぁ。
ルルシーったら、そんな悪いこと考えてたのか?
「しません」
「何で?」
「意味がないからですよ」
現女王アルティシアは、俺達にとって何の脅威にもなり得ない。
王族に手駒は必要ない。
おまけに、そのアルティシアに万が一のことがあって、国王が変わったとしても。
次に王になるのは、さっきのルーチェスだ。
彼が『青薔薇連合会』と敵対するつもりがないのなら、わざわざ王室と関係を持つ必要はない。
「なら、何であいつと手を組んだんだ!」
「彼が弟子にして欲しいって言ってきたから」
「お前は馬鹿か!お前にそのつもりがなくても、向こうがお前を利用するつもりだったらどうするんだ!」
あぁ。
まぁ、その可能性はないとは言い切れないね。
でも。
「それはないですよ、ルルシー」
「何故そう断言出来る!」
「彼が馬鹿じゃないからです」
ルリシヤとまともに渡り合えるほどの実力を持ち。
勝手に王宮を抜け出し、単身マフィアの本拠地に乗り込んでくる度胸。
馬鹿に出来る芸当じゃない。
「この国に、本気で俺達を騙せる人間が、いると思いますか」
「…それは…。でも、女王の差し金かも…」
「あのアルティシアに、そんな度胸はありませんよ」
『青薔薇連合会』とは、努めて関係を避けるようにしているくらいなのに。
わざわざ弟を刺客として差し向けるなんて、そんな恐ろしい考え、思い付きもしないだろう。
帝国騎士団の差し金、ってのも有り得ない。
帝国騎士団が、仕えるべき王族を手駒にする訳がない。
仮にあのルーチェスが替え玉、あるいは影武者なのだとしても…。
…まぁ、疑い出せばキリがないのだが。
だが、彼に関しては、俺は信用出来ると思っている。


