…誰だっけ?
…と、言えたら良かったんだけど。
残念ながら、俺はその顔に見覚えがあった。
「…?」
ルルシーやシュノさん、ルリシヤも、彼の顔に見覚えがないようだった。
そうだろう。
一般市民には、決して公開されない。
最低でも貴族…それも、上流貴族ともなれば、ようやく、遠目に姿をお目にかかることが出来る。
ましてやお言葉を頂こうと思えば、帝国騎士団の隊長ともならなければ、まず叶わない。
「…覚えてますか?僕のこと」
「…えぇ。思い出しました」
前に見たときは、まだ年若い少年だったね。
ローゼリアの影に隠れて、全く目立つ存在ではなかった。
けれど彼は、今こうして時を経て、俺の前にいる。
なんという運命であろうか。
「ご壮健そうで何よりですね。…殿下」
「あなたこそ、生きていてくれて、良かった」
俺達の、そのやり取りに。
ルルシー達は、愕然としていた。
「殿下…?どういう意味だ?」
「ルレイア…。この人と、どういう関係なの?」
どういう関係…か。
強いて言うなら、かつての上司…ってところか?
どう紹介したものか、と思っていると。
本人が、自己紹介をしてくれた。
「初めまして、『青薔薇連合会』の皆さん。僕はルーチェス・ジュリアナ・ベルガモット。ベルガモット王家の嫡子で、女王アルティシアの弟です」
「…!?」
驚くのも無理はない。
まさか、本物の王子様が、マフィアの本拠地に現れるなんて。
誰だって、一体何の冗談だと思うだろう。
でも、冗談ではない。
この男は、間違いなく…かつて俺が跪き、忠誠を誓った、王族の一人だ。
…と、言えたら良かったんだけど。
残念ながら、俺はその顔に見覚えがあった。
「…?」
ルルシーやシュノさん、ルリシヤも、彼の顔に見覚えがないようだった。
そうだろう。
一般市民には、決して公開されない。
最低でも貴族…それも、上流貴族ともなれば、ようやく、遠目に姿をお目にかかることが出来る。
ましてやお言葉を頂こうと思えば、帝国騎士団の隊長ともならなければ、まず叶わない。
「…覚えてますか?僕のこと」
「…えぇ。思い出しました」
前に見たときは、まだ年若い少年だったね。
ローゼリアの影に隠れて、全く目立つ存在ではなかった。
けれど彼は、今こうして時を経て、俺の前にいる。
なんという運命であろうか。
「ご壮健そうで何よりですね。…殿下」
「あなたこそ、生きていてくれて、良かった」
俺達の、そのやり取りに。
ルルシー達は、愕然としていた。
「殿下…?どういう意味だ?」
「ルレイア…。この人と、どういう関係なの?」
どういう関係…か。
強いて言うなら、かつての上司…ってところか?
どう紹介したものか、と思っていると。
本人が、自己紹介をしてくれた。
「初めまして、『青薔薇連合会』の皆さん。僕はルーチェス・ジュリアナ・ベルガモット。ベルガモット王家の嫡子で、女王アルティシアの弟です」
「…!?」
驚くのも無理はない。
まさか、本物の王子様が、マフィアの本拠地に現れるなんて。
誰だって、一体何の冗談だと思うだろう。
でも、冗談ではない。
この男は、間違いなく…かつて俺が跪き、忠誠を誓った、王族の一人だ。


