The previous night of the world revolution5~R.D.~

そうか。

そういうことか。

理解出来ないとは言うまい。

集団を守る為に、個を切り捨てる。

個の犠牲で集団を守れるのなら、それが正しいのだろう。

それが正義と言うべきなのだろう。

人の上に立つ者なら、それを正義と呼ばなくてはならないのだろう。

例え、どんなに間違っていても。

でも。

でも、僕は。

「…個を切り捨てる集団に、未来はありません」

たった一人すら守れない集団なんて、壊れてしまえ。

ましてや、下らない王家の威信の為に捧げる命など…。

「…王族の犬め」

「…王族であるあなたから言われるのであれば、それは褒め言葉なのでしょうね」

このときに、僕は誓った。

決して、帝国騎士団には入るまいと。

綺麗事では、誰も守れない。

誰も救えない。自分でさえも。

ならば、名誉などなくしても。

権威などなくしても。

僕は、自分が守ると誓ったものを守れる、存在でありたい。