「…」
「…」
「…ルルシー先輩。無言で拳銃を引こうとするな」
だって、あまりにもムカついたから。
こいつ殺してやろうかと。
「済みません。立場上、そうみだりに身分を明かせなくて」
「お前…!そんな戯れ言が、通用すると思ってるのか!」
マフィアの本拠地に、単身飛び込んできて。
おまけに、幹部に一騎討ちを仕掛けてきておいて。
身ぐるみ剥がされずに、無事に帰れると思ったのか。
「済みません。本当はルレイア・ティシェリーさんに会うつもりだったんで」
「…ルレイア先輩になら、身分を明かすつもりがあったと?」
「そうですね」
ルレイアがいないなら、身分は明かさないってことか。
「そんな勝手が…!」
「落ち着いて、ルルシー」
アイズが、エントランスに降りてきた。
「ルリシヤのときと同じだよ。まずは彼の意図を確かめないことには、殺すに殺せない」
「それはそうだが…!」
「君はどうしたいの?」
アイズは、よりによって、敵に意見を求めた。
「そうですね。あなた方の実力は分かりました。僕も納得するところです」
「それで?」
「今日のところは引き上げて良いですか?ルレイアさんがいるときに、また会いに来ます」
…!
「お前…!ルレイアを傷つけるつもりか!?」
「いえ、もう気は済んだので、良いです。次はこんな物騒なものは持たず、手ぶらで来ますよ」
次だと?
また次があるって言うのか?
「アイズ。こいつは危険だ。今ここで殺した方が…」
「だから、落ち着いてってば。彼に敵対の意思はない」
「えぇ、全くないです」
けろりとして言う、狐面の男。
どの口で…!
「だったら、何でルリシヤを!」
「腕試ししたかっただけです。殺すつもりはありませんでした。最初から」
「…!」
そういえば。
この男からは、一切殺気を感じなかった。
俺はそのときになって、ようやく気がついた。
「良いだろう。丸腰で来るなら」
「ありがとうございます」
「アイズ…!」
殺さないにしても、捕らえて、地下に閉じ込めておけば良い。
このまま帰すなんて…。
「良いから、ルルシー。この場は堪えて」
「…っ…」
「そちらに敵意がないなら、こちらもそのつもりはない。良いね?」
「分かりました」
狐面の男は、両剣を拾い上げた。
「それでは、また日を改めて」
そして、そのまま無防備に背中を向けた。
まるで、撃てるものなら撃ってみろ、と言わんばかりの態度だ。
『…アイ公。良いの?』
今なら狙撃出来る。
アリューシャは、そう言おうとしたのだろうが。
でも。
「良い。このまま帰して」
『…分かった』
あくまで、無傷で帰らせるか。
ここはアイズの判断を尊重するが、でも、俺は…。
「…」
「…ルルシー先輩。無言で拳銃を引こうとするな」
だって、あまりにもムカついたから。
こいつ殺してやろうかと。
「済みません。立場上、そうみだりに身分を明かせなくて」
「お前…!そんな戯れ言が、通用すると思ってるのか!」
マフィアの本拠地に、単身飛び込んできて。
おまけに、幹部に一騎討ちを仕掛けてきておいて。
身ぐるみ剥がされずに、無事に帰れると思ったのか。
「済みません。本当はルレイア・ティシェリーさんに会うつもりだったんで」
「…ルレイア先輩になら、身分を明かすつもりがあったと?」
「そうですね」
ルレイアがいないなら、身分は明かさないってことか。
「そんな勝手が…!」
「落ち着いて、ルルシー」
アイズが、エントランスに降りてきた。
「ルリシヤのときと同じだよ。まずは彼の意図を確かめないことには、殺すに殺せない」
「それはそうだが…!」
「君はどうしたいの?」
アイズは、よりによって、敵に意見を求めた。
「そうですね。あなた方の実力は分かりました。僕も納得するところです」
「それで?」
「今日のところは引き上げて良いですか?ルレイアさんがいるときに、また会いに来ます」
…!
「お前…!ルレイアを傷つけるつもりか!?」
「いえ、もう気は済んだので、良いです。次はこんな物騒なものは持たず、手ぶらで来ますよ」
次だと?
また次があるって言うのか?
「アイズ。こいつは危険だ。今ここで殺した方が…」
「だから、落ち着いてってば。彼に敵対の意思はない」
「えぇ、全くないです」
けろりとして言う、狐面の男。
どの口で…!
「だったら、何でルリシヤを!」
「腕試ししたかっただけです。殺すつもりはありませんでした。最初から」
「…!」
そういえば。
この男からは、一切殺気を感じなかった。
俺はそのときになって、ようやく気がついた。
「良いだろう。丸腰で来るなら」
「ありがとうございます」
「アイズ…!」
殺さないにしても、捕らえて、地下に閉じ込めておけば良い。
このまま帰すなんて…。
「良いから、ルルシー。この場は堪えて」
「…っ…」
「そちらに敵意がないなら、こちらもそのつもりはない。良いね?」
「分かりました」
狐面の男は、両剣を拾い上げた。
「それでは、また日を改めて」
そして、そのまま無防備に背中を向けた。
まるで、撃てるものなら撃ってみろ、と言わんばかりの態度だ。
『…アイ公。良いの?』
今なら狙撃出来る。
アリューシャは、そう言おうとしたのだろうが。
でも。
「良い。このまま帰して」
『…分かった』
あくまで、無傷で帰らせるか。
ここはアイズの判断を尊重するが、でも、俺は…。


