「俺のお宝は…これだ」
ルリシヤは、小さな紙袋を取り出した。
紙袋は地味な茶色一色で、何処のショップで買ってきたものか分からない。
焦らしてくれるじゃないか。
そういうところ…嫌いじゃないよ。
「ルリ公それ何?美味しいの?」
「食べ物ではないぞ、アリューシャ先輩」
「え~?」
食べ物じゃないと、あまり興味がないらしいアリューシャ。
食べ物ではないか…。大きさからして、ルルシーみたいなヴィンテージワインって訳でもない…。
シュノさんみたいな、宝石類かな?
「俺と言えば仮面、仮面と言えば俺…。既に皆知ってると思うが」
「えぇ、よく知ってます」
「ルリシヤと言えば仮面だものね」
ルリシヤの代名詞だからな。
むしろルリシヤから仮面を取ったら、何が残るのってくらい仮面。
「そんな訳で俺は、これを用意した」
ルリシヤは、紙袋から取り出した小箱をぱかっ、と開けた。
そこには。
「うぐっ…!ま、眩しい…!輝きが眩しい…!直視出来ねぇ…!」
「えっ、えっ、これ本物?本物なの?」
「本物だね。こんなの初めて見たよ」
アリューシャはあまりの輝きに目を背け、シュノさんは動揺し、アイズは感心した。
これには、俺も一杯食わされたと言わざるを得ない。
ここまで自信たっぷりなのだ。相当なものを隠してるとは思っていたが…。
「どうだルレイア先輩。今回ばかりは、素直に敗けを認めてくれても恥ずかしくないぞ」
ふふん、とどや顔のルリシヤ。
この箱に入っているのは、そのどや顔に見合う代物だ。
「…ふふ。やってくれるじゃないですか、ルリシヤ…」
さすがは、前回俺から主人公の座をかっ拐っていっただけのことはある。
相手に不足なしとはこのこと。
これが、ルリシヤの「本気」か。
その覚悟…しかと受け取った。
すると。
ルリシヤの用意したブツを見て、呆気に取られていたルルシーが。
ようやく正気を取り戻して、そしてルリシヤに拳骨を繰り出した…のだが。
ルリシヤは華麗なバク宙で、それをかわした。
何その避け方。俺もやる。
「どうしたルルシー先輩。腕の運動か?」
「お前がふざけたもの買ってくるからだろ!何だこれは!馬鹿か!」
「何って…。見ての通り、純金の仮面だ」
ルリシヤが用意したのは、金ぴかに光る仮面。
そう、純金で出来た、黄金に光る仮面であった。
これは相当経済貢献してると思うよ。
ルティス帝国民、何人か救われたんじゃない?
「お前馬鹿なのか?ルレイアのアホ企画にいくら注ぎ込んだんだ!?」
アホ企画って。失礼な。
これは立派な社会貢献の一環であって。
そして立派な俺の暇潰し企画であって。
「いくらと言われても…。具体的な数字を言う訳にはいかないだろう。チビッ子も見てるんだから…」
そうそう、ちょっと大人の事情がね。
生々しいからね。
「馬鹿かお前!こんなもん作らせてどうするんだよ!」
「貴金属は残しておいても損はないだろう。現金で残すとほら、税金とか諸々の問題がな」
「そういう問題じゃねぇ!こんな無駄遣いして…馬鹿か!前々から思ってたがな、お前は時に、ルレイアとアリューシャより馬鹿だ!」
ちょっと。失礼な。
「俺の何処が馬鹿なんですか~。酷いですよルルシー」
「そうだそうだ!馬鹿って言う方が馬鹿なんだって、『ふるじき』に書いてあるだろ!」
「そういうところが馬鹿なんだよ!」
「アリューシャ、ちょっと近づいたけど、それを言うなら『古事記』だよ」
「古」を「こ」と読めないらしいアリューシャである。
大変。ルルシーが激おこルルシーになっちゃってる。
ルリシヤは、小さな紙袋を取り出した。
紙袋は地味な茶色一色で、何処のショップで買ってきたものか分からない。
焦らしてくれるじゃないか。
そういうところ…嫌いじゃないよ。
「ルリ公それ何?美味しいの?」
「食べ物ではないぞ、アリューシャ先輩」
「え~?」
食べ物じゃないと、あまり興味がないらしいアリューシャ。
食べ物ではないか…。大きさからして、ルルシーみたいなヴィンテージワインって訳でもない…。
シュノさんみたいな、宝石類かな?
「俺と言えば仮面、仮面と言えば俺…。既に皆知ってると思うが」
「えぇ、よく知ってます」
「ルリシヤと言えば仮面だものね」
ルリシヤの代名詞だからな。
むしろルリシヤから仮面を取ったら、何が残るのってくらい仮面。
「そんな訳で俺は、これを用意した」
ルリシヤは、紙袋から取り出した小箱をぱかっ、と開けた。
そこには。
「うぐっ…!ま、眩しい…!輝きが眩しい…!直視出来ねぇ…!」
「えっ、えっ、これ本物?本物なの?」
「本物だね。こんなの初めて見たよ」
アリューシャはあまりの輝きに目を背け、シュノさんは動揺し、アイズは感心した。
これには、俺も一杯食わされたと言わざるを得ない。
ここまで自信たっぷりなのだ。相当なものを隠してるとは思っていたが…。
「どうだルレイア先輩。今回ばかりは、素直に敗けを認めてくれても恥ずかしくないぞ」
ふふん、とどや顔のルリシヤ。
この箱に入っているのは、そのどや顔に見合う代物だ。
「…ふふ。やってくれるじゃないですか、ルリシヤ…」
さすがは、前回俺から主人公の座をかっ拐っていっただけのことはある。
相手に不足なしとはこのこと。
これが、ルリシヤの「本気」か。
その覚悟…しかと受け取った。
すると。
ルリシヤの用意したブツを見て、呆気に取られていたルルシーが。
ようやく正気を取り戻して、そしてルリシヤに拳骨を繰り出した…のだが。
ルリシヤは華麗なバク宙で、それをかわした。
何その避け方。俺もやる。
「どうしたルルシー先輩。腕の運動か?」
「お前がふざけたもの買ってくるからだろ!何だこれは!馬鹿か!」
「何って…。見ての通り、純金の仮面だ」
ルリシヤが用意したのは、金ぴかに光る仮面。
そう、純金で出来た、黄金に光る仮面であった。
これは相当経済貢献してると思うよ。
ルティス帝国民、何人か救われたんじゃない?
「お前馬鹿なのか?ルレイアのアホ企画にいくら注ぎ込んだんだ!?」
アホ企画って。失礼な。
これは立派な社会貢献の一環であって。
そして立派な俺の暇潰し企画であって。
「いくらと言われても…。具体的な数字を言う訳にはいかないだろう。チビッ子も見てるんだから…」
そうそう、ちょっと大人の事情がね。
生々しいからね。
「馬鹿かお前!こんなもん作らせてどうするんだよ!」
「貴金属は残しておいても損はないだろう。現金で残すとほら、税金とか諸々の問題がな」
「そういう問題じゃねぇ!こんな無駄遣いして…馬鹿か!前々から思ってたがな、お前は時に、ルレイアとアリューシャより馬鹿だ!」
ちょっと。失礼な。
「俺の何処が馬鹿なんですか~。酷いですよルルシー」
「そうだそうだ!馬鹿って言う方が馬鹿なんだって、『ふるじき』に書いてあるだろ!」
「そういうところが馬鹿なんだよ!」
「アリューシャ、ちょっと近づいたけど、それを言うなら『古事記』だよ」
「古」を「こ」と読めないらしいアリューシャである。
大変。ルルシーが激おこルルシーになっちゃってる。


