The previous night of the world revolution5~R.D.~

…決着は、ついた。

「…」

ルリシヤのスタンガンに、敵は両剣を落として、膝をついた。

…ルリシヤが違法改造したスタンガンの電圧に、意識がある時点で恐ろしいが。

『…アイ公。どうする?撃つ?』

先程狙撃を防がれたからか、アリューシャの声には苛立ちが混じっていた。

アリューシャの狙撃が下手だった訳じゃない。

こいつの反射神経がおかしいだけだ。

『いや、待って。そのまま待機』

『…分かった』

…勝敗は決した。

その上で、この男がどうするか…。

それより。

「…ルリシヤ。大丈夫か」

俺はルリシヤに駆け寄った。

「掠めただけだ」

血が滲み出る肩を押さえて、ルリシヤは答えた。

…深い傷ではなさそうで、不幸中の幸いだが。

でも…ルリシヤに傷をつけやがった。

これがもしルレイアだったら、俺は今すぐ、誰の制止も聞かず、この男を殺していたことだろう。

だからって、ルリシヤなら良い訳じゃない。

俺は、蹲る狐面の男に拳銃を向けた。

「ルルシー先輩」

「こいつは危険だ。ルレイアに会わせる訳にはいかない…!」

ルリシヤとここまで渡り合える相手を、放ってはおけない。

ましてやこいつは最初、ルレイアを指名してきたのだ。

もし怪我をしたのが、ルレイアだったなら…!

「落ち着け、ルルシー先輩」

「嫌だ。ルレイアに少しでも害を為す者は、俺が殺す。俺がルレイアを守る…!」

ルレイアが傷つく姿を思い浮かべたら、俺は気が狂いそうになる。

そんなことはさせない。

例え誰を殺したとしても。その結果、誰を敵に回したとしても。

俺が、ルレイアを…!

すると。

「…さすがですね。正直、ここまでとは思いませんでしたよ」

…は?

「『青薔薇連合会』、素晴らしいです。死んだかと思いました」

狐面の男は、何故か楽しそうにそう言った。

何を…。

「よ…っと」

拳銃を向けられていることにも気づいてないかのように、彼はよろよろと起き上がった。

まだ、スタンガンのダメージが残っているらしい。

「無理しない方が良いぞ。一般人なら卒倒してる電圧だ」

「でしょうね…。はは…。あー、ふらふらする…」

何敵を気遣ってるんだ、ルリシヤ。

そしてお前は、何を笑ってる。

「『青薔薇連合会』、ここまで強いとは。ルティス帝国最大のマフィアの名は、だてではありませんね」

「…お前…」

「それから、ルリシヤ・クロータス。あなたのことも、見直しました。『セント・ニュクス』なんて小さなマフィアの元首領なんて、大したことないと思ってましたが…」

「!」

これには、ルリシヤも驚いていた。

…この男。

ルリシヤの過去を知ってる。

「ますます、興味が沸きました。知りたいです。あなた達のこと、もっとたくさん」

「…お前、一体…何者だ?」

俺は拳銃を向けたまま、そう尋ねた。

これを確かめずに、この男を帰す訳にはいかない。

「…そうですね、話しておきましょうか。僕の正体は…」






















「…内緒です」

……………は?